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花開くか「中央線沿線演劇」 拠点は吉祥寺と三鷹の公共劇場

2007年07月07日14時37分

 若者に人気の小劇場系演劇の注目株が、JR中央線沿線で東京公演をする機会が増えている。拠点となるのは武蔵野市と三鷹市にある二つの公共劇場。80年代から演劇の街として栄える下北沢や、60年代のアングラ全盛時から演劇文化が脈打つ新宿に迫るような「中央線沿線演劇」は、果たして花開くのか?

写真三浦大輔
写真吉祥寺シアター
写真三鷹市芸術文化センター

 吉祥寺駅近くにある吉祥寺シアター(武蔵野市、05年開場)で6月に上演された「劇団、本谷有希子」の公演は21日間の長期公演にもかかわらず全席が完売。連日、若者でごったがえした。この秋には岸田国士戯曲賞を受けた倉持裕が主宰する「ペンギンプルペイルパイルズ」、倉庫やテントを仮設劇場に変えて壮大な劇空間をつくる「劇団桟敷童子」も公演する。

 一方、三鷹市芸術文化センターは95年の開場以来、若手を積極的に登用する場として知られてきた。

 両劇場に共通するのは、小劇場演劇に携わってきたプロデューサーを公募し、劇場の特色を打ち出すことを工夫している点だ。

 オンシアター自由劇場などで制作を担当した吉祥寺シアターの箕島裕二支配人(49)は「人口13万人という小さな市だけに予算的な限界はあるが、若い人たちに冒険してもらい、新しい演劇文化を発信したい」と力を込める。

 三鷹市芸術文化センターは音楽、映画、落語など多彩な企画を展開する総合施設。演劇のラインアップは開館以来、小劇場出身の森元隆樹演劇企画員(43)が固めてきた。「次代の才能を見つける『演劇の専門店』が目標です」。16日まで上演中のポツドール公演「人間♥失格」(岸田賞受賞者の三浦大輔作・演出)のように、三鷹で暮らした太宰治の小説をモチーフにした演劇をつくるなど、地元文化を生かした取り組みにも力を入れている。

 下北沢や新宿などの小劇場で力をつけ、本多劇場や紀伊国屋ホールなどの中劇場に進出するのが小劇場劇団の出世コース。「ぴあ」編集部の三重竜太郎演劇デスクは「その間を埋める格好のステップボードになる」と語る。

 「ともに200席程度で広い舞台空間を持ち、新しい表現に挑戦するのに手頃な大きさ。劇団にとっても、公共劇場と組む公演は、知人や友達にチケットを売る『発表会』から脱する好機にもなる」

 三鷹での公演は2回目となる三浦は「新宿や下北沢より観客が減るリスクはあるが、駆け出しの頃から応援してくれた森元さんと新しい企画に挑戦できるのは楽しみ」と語る。森元さんは「ラーメン屋と同じで、味(=芝居)が良ければお客様は遠くても足を運んでくれる。三鷹と吉祥寺がそれぞれ味の違う人気店になれば、中央線沿線の演劇も活性化するはず」と話す。

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