現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事

飛ぶ感覚を言語化 現代歌人協会賞・都築直子さん

2007年07月08日11時33分

 第51回現代歌人協会賞の贈呈式がこのほど行われ、都築直子さん(51)、『青層圏』(雁書館)=が、同時受賞の棚木恒寿さん(33)=『天の腕』(ながらみ書房)=と並び歌壇の登竜門をくぐった。

現代歌人協会賞を受賞した都築直子さん

 祝辞の席上、迢空賞歌人の小池光さんは「あらゆる職業の人が短歌をつくっているが、空の上から落ちてくるというのは……。空前絶後」と都築さんの経歴に言及した。受賞作に

 つまさきがやがて地を蹴り浮くことをうたがはずをり人にいはねど

 一瞬の後の死をゆめ恐れるな刃研ぎおけきみは女だ

 と歌う元スカイダイビング・インストラクター。

 波乱の半生だ。あこがれに向かって突き進む気性らしい。ミック・ジャガーに会いたい一念で20歳で渡英、思いを遂げた。

 大願成就のあと、「ミックと話すまでは死ねない、と後回しにしていた」子供時代からの空飛ぶ夢の実現に着手、米国でスカイダイビング・インストラクターの資格を取る。

 空中写真を撮り専門雑誌に記事を書く仕事を続けたのち、飛ぶ感覚の言葉化を期して小説家に転身した。「エル・キャプ」で小説現代新人賞を受賞、著書に『空の鼓動にふれよ』ほかがある。

 偶然の短歌との出会いに「小説より純粋に五感がとらえたところを凝縮できる」との感触を持ったという。02年以降は作歌に専心。

 中部短歌会を経て現在、日本歌人所属。同時に複数の歌人の講座を受講、貪欲(どんよく)に技法を学んで今に至る。「理不尽な力の働きで短歌の世界に紛れこんだ感じ。五七調、文語体、旧かなづかいのニュアンスにどんどん引き込まれていく」

PR情報

このページのトップに戻る