現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 詩人・松井さんの新作は一、二、三で詠む短歌2007年07月28日12時48分 三一二二一 一二三一二三一 二一一二三 二三一二三一二 三一二三一二三
これは短歌である。左のグラフも短歌である――。 01年以降、「身体でも頭でも理解可能な完全言語」との位置づけで、一二三の漢数字だけの視覚詩を書く詩人松井茂さん(32)の新作『松井茂短歌作品集』(photographers’ gallery)が面白い。 「はじめに声ありき。僕はそれをどう表記するかを探ってきた文字の開発史をシミュレーションしてるつもり」と松井さん。この作品集では「31音で構成することを短歌の根本とするなら、意味性ではなくかたちで詠む短歌、新しい文字で記す短歌があってもいいと考えた」という。 グラフ短歌は、31の記号などをもとにCGを使い韻律を視覚化した作品だが、歌人岡井隆さんが、「解題」として翻訳を試みている。写真の、片翼のような図形から水や花、光が主題の連作をイメージし、「試しに空想で取り出し」た歌は、例えば左記の通り。 湧く水の、寒暖の差のはげしかれども汲むことはならぬ(君には) 傷つきし薔薇を束ねて、歌唄ふ人のくちびるに近づけて見た 「これまで僕の詩は美術、音楽の分野の人、あるいは海外の詩人には伝わっても日本の詩歌の世界ではほとんど相手にされなかった。今度の短歌が岡井さんに届いたのがすごくうれしい。思いを遂げた気持ちです」と松井さんは話している。歌人や詩人キュレーターらの批評を併録。1050円。 PR情報この記事の関連情報 |