現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 名物裂千点を電子事典に 京都・鈴木さん2007年08月30日10時40分 江戸時代の茶道具を包むのに使われた中国産の織物「名物裂(ぎれ)」を60年にわたって研究してきた京都市の鈴木一さん(82)が、自身のコレクションや各地の博物館、美術館が所蔵している約1000点の名物裂を集成した『名物裂事典』を自費出版した。1180ページをCD―ROMに収めた大作だ。 名物裂は宋―清時代に中国で作られた織物で、日本では茶道具の袋や包み、床の間の掛け軸の表装などに使われて珍重された。「金襴(きんらん)」「緞子(どんす)」「間道(かんどう)」などの種類があり、江戸時代の大名や明治時代の政治家らも収集していたという。 70歳を迎えた95年、一さんは息子の一弘さん(57)の勧めで、国内の名物裂を網羅した事典作りに着手。これまで同じ種類の布が複数の名称で呼ばれたり、分類に混乱があったりしたのを少しずつ整理していった。 父の代からのコレクションに加え、東京、京都の国立博物館や徳川美術館など各地の博物館、美術館、寺院などが所蔵する裂を調査。古文書の記述についても調べ上げ、事典に掲載した名物裂や古文書の写真は約5000枚にもなった。 「10年がかりで、やっと集成と分類を終えることができた。あとは若い人たちに、このデータを使って研究を前進させていただきたい」と一さん。染織愛好家や茶道関係者だけでなく、図書館や学校にも購入を呼びかけていくという。 1部4万5000円(税別)。『名物裂事典』についての問い合わせは鈴木時代裂研究所(075・231・2496)へ。 PR情報 |