現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 アニメ界の賞男、学生に語る2007年10月06日16時41分 「時をかける少女」の監督細田守さん、「頭山」の山村浩二さんら、第一線で活躍するアニメ作家によるシンポジウム「アニメーションを学ぶ学生たちに告ぐ!」が東京・六本木で開かれた。(アサヒ・コム編集部)
アニメを学ぶ学生たちの作品を上映する「インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)2007」が、東京・六本木の国立新美術館で9月30日まで開かれた。そのプログラムの一つであるシンポには、300人を超す聴衆が集まった。 テレビや劇場用作品を手がける細田さんは、昨年公開の映画「時をかける少女」で国内のアニメ賞を総なめ。短編作家としてアヌシー国際アニメ映画祭グランプリなどに輝く山村さんは、新作「カフカ 田舎医者」でオタワのアニメ映画祭グランプリを獲得したばかり。パネリストに、ミュージックビデオやCMで活躍する映像クリエーター寺井弘典さんも加わり、学生時代から情熱を注いできたアニメ作りについて語った。 60年代生まれ、大学では油絵を専攻しながら映像にひかれていった、という共通点を持つ3人。「学生時代の作品を年を取ってから見返したら、『こんなに力を入れて作っていたんだな』と驚き、励まされた。皆さんもそんな作品に取り組んでほしい」と寺井さん。 「素晴らしい作品に出合った時の感動が大きいのは20代。映像だけでなく文学でも演劇でも、自分の血や肉になるものとの出合いが大事」と山村さん。細田さんも「仕事にしてしまうと、どんな作品を見ても『資料』でしかない。生々しい『体験』は学生の時しかできない。そうした『体験』があとあと自分を救ってくれる」。 フィルム時代は現像されるまで出来上がりが分からないが、パソコンを使う今の学生は、制作中の映像を確かめながらアニメが作れる。 山村さんは言う。「今の学生作品で気になるのは、こぎれいにまとまってはいるがアイデアが欠如している傾向。作者がこの作品のどこを面白がっているのか、何をしたいのか、パッションがないと見る人に訴えてこない」 寺井さんも「見たことのあるようなパターンにはまらないよう、コンピューターに向かう前に、アイデアをもう一ひねりした方がいいのでは」と話した。 「思い返すと、現像が上がるのを待つまでの時間が、大事な意味を持っていた」と細田さん。「自分の中で何かが発酵し熟成するような、そんな醍醐味(だいごみ)があの時間にあった気がしますね」
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