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「歴博甲本」作者、狩野元信と推定 国立歴史民俗博物館

2007年10月04日11時01分

 京都を詳しく描いた「洛中洛外図屏風」の中で最古と言われる「歴博甲本」(重要文化財)について、所蔵する国立歴史民俗博物館は、作者を狩野元信と推定するなどの研究成果をまとめた。

 約100点の存在が知られる「洛中洛外図」の中で16世紀の作と言われるのは、歴博甲本、東博模本、上杉本、歴博乙本と呼ばれる4点。残りは17世紀以降の江戸時代に描かれた。「歴博甲本」は現存する洛中洛外図では最古で、16世紀前半の作品と考えられてきたが、作者や制作目的など、不明な点が多かった。

 歴博の小島道裕准教授によると、史料や文献などから絵の中の個人名を特定していくことで、制作意図や作者を推測したという。

 室町幕府の第12代将軍足利義晴を擁立した細川管領家の当主高国は1525年、新しい将軍御所を建設し家督を息子の稙国(たねくに)に譲った。高国の統治下で栄える京都の姿を、幕府の御用絵師である狩野元信に描かせたのが甲本だという。さらに、稙国は家督を譲られた年に亡くなっているので、制作が始まったのは1525年と推定できるという。

 小島准教授は「甲本は、高国が自分の次の世代の繁栄を願って制作させたと考えられる。高国が絵を頼むとしたら御用絵師の狩野元信だったと推測できる」と話している。

 甲本は30日から、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で公開される。

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