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「良い影響にも注目を」 ゲーム研究に成果 東大で国際会議

2007年10月04日11時09分

 コンピューターゲームを学際的に研究する国際会議「DiGRA2007」が先月末、5日間にわたり、東京・本郷の東京大学で開かれた。29の国と地域から350人余りが参加、初開催の日本で178の研究・開発の成果を発表した。

「DiGRA2007」の「ゲームにおける女性」セッションから

 同会議はデジタルゲームの国際的な学会「DiGRA」により03年から隔年で開かれている。米国や北欧を中心にゲームの学会が数多く設立され、毎月のように学術書が出版されている現状をふまえ、研究者の交流をうながすのが目的だ。

 3回目となる今回のテーマは「状況論的ゲーム学の構築」。「いまのゲームを理解するには、遊びの面だけでなく社会や経済、技術など様々な面からのアプローチが必要になっている」と日本デジタルゲーム学会会長の馬場章・東京大学教授は説明する。会議では開発者に加え、社会学、心理学、経済学、メディア論、教育学といった多分野の研究者が最新技術やオンラインゲーム経済、公共政策へのゲームの応用などについて発表した。

 たとえば「ゲームにおける女性」セッションではゲームをめぐるステレオタイプについての発表が相次いだ。英国の大学の文化学部講師はアクションゲームの女性主人公を研究し、「ゲーム内の女性は脇役が多く、主人公になっても男性的であることを要求されている」と指摘。カナダの教育学者は、男女約90人ずつの生徒を対象にした3年間の調査で、「ゲームに向かう際の男子は競争的、女子は協調的」といった決めつけが、実は初心者と熟練者の違いにすぎず、ゲーム経験が少ない初心者に女性が多いところから生まれた偏見ではないか、と述べた。

 また「ゲームと教育、医療」シンポでは、精神科医で帝塚山学院大教授の香山リカさんらにより、ゲームが医療や教育の現場で活用されている事例が報告された。九州大病院の整形外科医、高杉紳一郎さんは、高齢者のリハビリに「もぐらたたき」を使った際の効能を紹介。コミュニケーションの苦手意識をゲームを通じて克服した人の例をあげた香山さんは「ゲームが子どもを夢中にさせるのは、様々な魅力や可能性を秘めているから。悪影響論ばかりでなく、良い影響にも注目してほしい」と話した。

 会議の実行委員長でもある馬場教授によると、ゲーム産業大国である日本からの参加者は約1割。「数はともかく、日本の研究者が自らの研究分野にゲームを取り入れようとしている段階なのに対し、欧米ではすでに各分野の研究者が“デジタルゲーム学”に成果を持ち込もうとしている。そんな違いを感じました」と振り返った。

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