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北里研究所長、故郷・韮崎市に美術館贈呈 5億円相当

2007年10月14日20時11分

 抗生物質の研究で知られる大村智(さとし)・北里研究所長(72)が、生まれ故郷の山梨県韮崎市に近く完成する私設美術館を、同市に寄付する。展示・収蔵する美術品を含め、総額5億円は超えるという。人口3万3000人の市は、思わぬビッグプレゼントに感激している。

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大村さんが寄贈する美術館=山梨県韮崎市神山町で

 大村さんは、絵画や陶器、彫刻など美術品の収集家でもある。今回寄付する「韮崎大村美術館」は27日に開館する予定。もともと故郷のためにと造ったもので、土地・建物と美術品を、開館から約1年後に市に一括して引き渡すという。

 美術品は、数千点に及ぶ「大村コレクション」のうち、洋画家鈴木信太郎や森田茂らの作品のほか、陶器や彫刻など約1000点。自らが理事長を務める女子美術大(旧女子美術学校)卒業生ら女性画家の作品は「こだわって集めてきた」といい、コレクションの大半を占める。市幹部は「美術館のない市にとって本当にありがたい」と喜んでいる。

 大村さんは、東京理科大大学院修了後、山梨大助手、北里大教授などを経て、90年から北里研究所理事・所長を務める。都立工業高校の定時制で教師をした経験もある。

 約40年間の研究生活で約360種の微生物由来の新たな天然有機化合物を発見。うち17種は、医薬品や農業用薬剤として世界中で使用された実績を持つ。特に米・メルク社と共同研究で開発した寄生虫駆除薬イベルメクチンは、熱帯病のオンコセルカ症(河川盲目症)の代表的な予防・治療薬として年間約6000万〜7000万人に使われているとされる。

 これらの薬の「大ヒット」で、大村さんは巨額の特許料を手にした。

 現在は都内に住み、韮崎は月に数回訪れるという大村さんは「この美術館は、若い人たちへの投資でもある。大勢の人が訪れる施設にしたい」と話している。

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