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新生プラド美術館、10月末お披露目

2007年10月17日11時52分

 マドリードのプラド美術館が200年近い歴史で最大の改修を終え、10月末に披露される。常設・企画の展示機能のほか、修復・研究、さらに娯楽の面も充実させ、総合文化施設に生まれ変わる。パリのルーブル美術館など各国の大絵画館で相次いだ大規模改修の最後となる試みだ。

 従来のプラドは新古典様式の名作といわれたが、前後を道路に挟まれ、拡張が難しかった。20世紀の5度の小改修を経て「ほお張りにくいクラブハウスサンドイッチ」と揶揄(やゆ)されるほど内部が複雑化。常設展示が全体の8割と窮屈で、狭い入り口には大行列ができていた。

 今回の改修は、道路を挟んで裏手にある教会の回廊部分の土地を取得。そこに新館を建て、本館と地下で結んで床面積を1.5倍にした。新館最上階3階には石造りの回廊を保存して彫刻の常設展示室に。隣に絵画の修復研究所を置いた。企画展示室は新館地下に設け、3階からの吹き抜けを通して自然光が届く。

 ミゲル・スガサ館長は「様々な企画展を試みるのが現代の美術館の流れだが、従来のプラドには、その発想がなかった。時代の要請に応えた改修だ」と語る。

 常設部分に余裕が生まれ、500点増やして約1700点に。ゴヤで終わっていた展示が、19世紀のスペインまで広がった。

 今回の改修は、米英の両ナショナルギャラリーや米メトロポリタン美術館、ルーブル美術館と、世界の大規模絵画館で続いた大改修の締めくくりと位置づけられる。スガサ館長は「立地事情で順番が最後になったが、お陰で他館の改修の長所短所を学べましたよ」。新旧2館を地下で結ぶ手法は米ナショナルギャラリーにヒントを得たという。

 ルーブルは中庭に人工ピラミッドをつくり、地下の大空間に人を集めて各翼に分散入場させ、大行列を解消した。新プラドも広い入り口から入場者を地下ホールに入れて各方面に分散させる。

 プラドはマドリードの中心に位置し、はす向かいに個人コレクションでは世界第2の規模と言われ、印象派などの作品が豊富なティッセン・ボルネミッサ美術館がある。大通りを少し進むと、ピカソの大作「ゲルニカ」を含む現代美術を集めたソフィア王妃芸術センター。スガサ館長は「3館は互いを補い合う収集傾向を持つ。大通りの一部を歩行者専用にするなど一体化を深め、ワシントンの博物館群やベルリンの博物館島と同様に芸術の集積地としたい」と話す。

 新生プラドは30日にフアン・カルロス国王を迎えて開館式。31日から一般公開する。

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 プラド美術館 1785年に自然史博物館として建設が始まり、計画変更して、スペイン王家の収蔵品を展示する王立美術館として1819年に開館した。現在の所蔵点数は約1万。宮廷画家ベラスケス、ゴヤの一大コレクションのほか、エル・グレコらスペインの画家の代表作を所蔵。ボスやルーベンスといったフランドル絵画、ティツィアーノらベネチア絵画の収集でも知られる。

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