現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 富士山の登山道に廃屋次々 世界文化遺産登録に影響?2007年10月30日17時49分 世界文化遺産の登録をめざす富士山で、廃屋になった山小屋があちこちに放置されている。朝日新聞が調べたところ、山梨県側の吉田口登山道沿いだけで4カ所、約10棟あった。自然公園法施行令は、国立公園内の山小屋を廃業する場合は廃業届の提出と原状回復を義務づけており、環境省も調査に乗り出した。
放置建物が確認できたのは、富士箱根伊豆国立公園内の吉田口登山道沿い。3、4、5、6合目に山小屋や茶屋跡などが約10棟あった。3、4、5合目の建物は老朽化が激しく、倒壊寸前。5合目につながる富士スバルラインが64年に開通して以来、5合目より下の山小屋は利用客が激減し、次々と廃業したという。 3合目に放置されている木造平屋の元茶屋を所有する同県富士吉田市の男性は「建物は20年近く見に行っていない。金がかかるので解体はできない」という。 6合目の通称「穴小屋」は木造平屋の2棟。登山道に面し、河口湖も望める「一等地」にあるが、今夏もシャッターを下ろしたままだった。関係者によると、少なくとも02年夏から営業していないといい、運営会社も「穴小屋はもうやめた事業」と認めている。 だが、環境省には廃業届も出ていない。この小屋は自然公園法施行令が施行された57年以降の建物のため、環境省は同法違反の疑いがあるとして「必要な指導をする」としている。 富士山は07年1月、世界文化遺産の暫定リストに登録された。山梨県は今後、本登録に向けて吉田口登山道の保存管理計画をつくるが、ユネスコの諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)前副会長の西村幸夫・東大大学院教授(都市計画)は「(イコモスの現地調査で)廃屋が問題視される可能性がある。民間と行政で解決方法を考えなければならないが、廃屋だけでなく、今ある山小屋全体のあり方も見直す必要がある」と話している。 PR情報 |