現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 マンガの力(7) 日米アメフット界、注目 アイシールド212007年11月17日11時19分 アメリカンフットボールが子供たちに浸透しつつある。NFLジャパンなどが開催するタックルをなくした子供向けのフラッグフットボール大会(中学2年以下)に参加したチーム数は2年前の2倍以上の147。高校生のアメフット競技者も6年前の約1.8倍の4026人に達した。その原動力がアメフット漫画「アイシールド21」だ。 原作者の稲垣理一郎は「読者のほとんどがルールを知らないスポーツで、きちんと試合を描いた漫画は、僕が初めてだと自信を持っている」とこれまでのスポーツ漫画との違いを強調する。日本ではマイナー競技ながら、アニメ化されるほどの異例の人気だ。 稲垣もこれほどの人気は予想しなかった。「読者がついてきてくれたのは意外だった」。子供が知らないテーマを扱う場合、これまでは努力や友情、恋愛などの人間ドラマに頼る手法が一般的だったからだ。 それでも稲垣は、内気な高校生が使い走りで身につけた走力を生かして活躍する物語の中で、ルールや作戦、ポジションの特性を1話ごとに説明した。「アメフットの感じを出したかった」。アメフットが好きな稲垣の情熱の表れでもあった。 フラッグフットを小学校で教える関東学生アメリカンフットボール連盟事務局長の前川誠は、この漫画の影響力を実感している。「男子のほとんど、女子の半分以上がタッチダウンやインターセプトという言葉を知っている。先生に教える方が難しい」。難解に見えるスポーツだからこそ、好奇心旺盛な子供に受け入れられたのかもしれない。 普及のために描いているわけではないが、稲垣には確信がある。「漫画を読んでアメフットを始めた人は『思っていたのと全然違う』という部分が少ないはず。一過性の熱でなく、続けてくれたらきっとおもしろさが見えてくる」 若年層のアメフットブームは初めて。これまでの一時的な米NFLブームとは違い、大学、社会人も含めた全体の競技人口増にもつながるかもしれない。米国でも、若年層をもっと引きつけようと、12月初めからNFLの関連ウェブサイトなどで試験的に動画配信される予定だ。日米のアメフット関係者の期待を、アイシールド21は背負っている。〈敬称略〉 ◇ アイシールド21 原作・稲垣理一郎、漫画・村田雄介。02年7月から週刊少年ジャンプ(集英社)で連載され、単行本は27巻まで達した。テレビ東京系列で週1回、アニメ放映されている。使い走りだった内気な高校生、小早川瀬那(せな)がランニングバックとして目覚め、仲間と助け合いながら高校日本一を決めるクリスマスボウルを目指す。 PR情報文化・芸能
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