現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 「春の雪」のモチーフか 三島由紀夫のメモ展示 東京2007年11月26日19時24分 三島由紀夫(1925〜70)の最晩年の小説「春の雪」のモチーフを思わせるメモが、三島が学習院高等科1年生のとき使っていた教科書の間から、みつかった。三島の少年期の図画などと共に、12月5日から東京・東池袋の劇場「あうるすぽっと」で展示される。
メモは、半紙大の和紙に薄い鉛筆で「松の木かげに立ちよれば/千とせの緑は身にしめども/松がえかざしにさしつれば/はるのゆきこそふりかゝれ」と走り書きされていた。42年、高等科1年で使った「東洋史概説」の教科書に挟まれていた。島内景二・電気通信大学教授(日本文学)が、東京の古書店主が所有する三島の旧蔵本を調べる過程で見つけた。 島内教授によると、この詩句の原典は「梁塵秘抄口伝集」。梁塵口伝集で「梅が枝」と書かれていた部分が、「春の雪」の主人公「松枝清顕」を連想させる「松がえ」などと変えられていた。 これまで「春の雪」は、詩人伊東静雄の同名の詩に由来するという説が有力だったが、伊東の詩の発表(42年春)と同じころ梁塵口伝集からも着想を得ていたようだ。島内教授は「松の永遠と春の雪の滅びは、『春の雪』に始まる『豊饒の海』4部作の主テーマ」と重要性を指摘する。 このメモは、三島が43年に発表した評論にある詩句の下書きとみられる。 同劇場で三島の戯曲「朱雀家の滅亡」を上演するのに合わせて、12月16日までの午前10時から正午まで、ロビーで展示する。無料。問い合わせは同劇場(03・5391・0751)。 PR情報 |