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我が子のいじめと向き合う 「ズッコケ三人組」3作目

2007年12月08日15時34分

 小6の仲良しトリオが活躍する児童文学『ズッコケ三人組』が成長し――という設定の続編3作目『ズッコケ中年三人組age42』が3日、発売された。重要なテーマは「いじめ」。その解決のきっかけに、著者の那須正幹さん(65)は、触発されたフォークデュオゆずの曲を、作中に引用した。三人組の応援団を自称するゆずの2人も、この曲をサポーターソングと明言している。

 『三人組』の誕生から来年で30年になる。05年に始まった中年シリーズは「40歳代が直面する問題を取り上げる」と那須さん。今回は「子育て」。コンビニ店主になったハチベエは高校生の息子の反抗に悩み、会社員のモーちゃんは中学生の娘のいじめを心配、中学教諭のハカセに相談する。

 〈ぼくは小さい頃太っていて、勉強も運動も苦手だった。自信が無いからお調子者になって、なんとかみんなに溶け込んでいた〉

 作中に引用される、ゆずの「ぼくの漫画の主人公」の歌詞だ。那須さんは演歌派というが、勧められてこの曲を聴き、「からかいや、軽いいじめの体験が元になっているのでは」と思った。ぽっちゃりしておっとり型のモーちゃんの娘が、この曲に励まされ、いじめを乗り越え自分を取り戻す様子が描かれる。

 「いじめられている私」というテーマで、心の中のイメージを描かせる美術の授業の場面がある。いじめる側の生徒が抱えるストレスをさぐり、それとなく手を打つベテラン教師が頼もしい。「表現することで内省する子供もいるはず。試してほしい」と那須さん。

 04年に50巻で完結した児童書のシリーズは累計2300万部超。時には三人組にタイムスリップもさせた。が、「戦争体験だけはさせられなかった。三人組は、民主主義と平和がなければ自由に駆け回れない。未来永劫(みらいえいごう)、彼らが活躍できる日本であってほしい」。那須さんは生地の広島で被爆、憲法9条を後世に伝えることを義務と考える。

 中年シリーズも作品中には強いメッセージはない。だが、大人になっても変わらない3人の友情、勇気はあるが力まない優しさに心なごむのは長年のファンだけではないはずだ。

 かつての登場人物を出して、と願うファンレターが多いのは、長寿シリーズならでは。だが、「あらゆる世代に喜んでもらえるものを目指す。読書習慣のなかった大人にも読んでほしい」と、那須さんは話す。

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