現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 仏革命研究の新拠点に 専修大「ベルンシュタイン文庫」2007年12月13日10時25分 「自由・平等・博愛」の理念を生んだ18世紀末のフランス革命に関連する膨大な史料を、専修大学が所蔵している。フランス国立図書館につぐ規模とされ、全容がつかめなかったが、このほどパリ第一大学との共同調査が進められ、本国にも存在しない史料が相当数あることや、当時の地方の庶民の願いを記した文書が含まれていることなどが、明らかになってきた。 専修大の「ベルンシュタイン文庫」は、パリの古籍商ミシェル・ベルンシュタイン(1906〜2003)が半生をかけて収集したもの。4万数千点とされてきたが、実数はさらに多そうだ。中心はチラシ、ポスター、パンフレット類。各地の新聞や憲法制定議会の議事録のほか、通行証や逮捕状、ルイ16世の遺言書、マリー・アントワネットの死刑判決書もある。 散逸をおそれたベルンシュタインが一括保存を条件に売りに出し、1977年に専修大が創立100周年を記念して購入した。実に3億円で、全学の図書購入費の1年半分に相当したという。 入手から30年。史料は研究者に公開されてきたが、膨大すぎて全容がわからなかった。そこでパリ第一大のフランス革命史研究センターに協力を求め、3年前から共同で研究を進めた。そのうち、同一史料が本国に存在するかどうかの調査がまとまり、11月下旬のシンポジウムで報告された。 まず、解読の難しい手書き史料を含む1017点を調査。フランスの大学や図書館の史料と照合した。その結果、各地での集会の議事録、陳情書、市民の手紙などの393点はどこにも見あたらなかったという。 「大変希少な史料を多数含んでいることが明らかになった。革命の時期に地方都市や農村で何がおきていたのか、無名の市民たちが何を考えていたかを教えてくれるだろう」と同センター研究員のマリア・プジョルスさんは語った。 専修大の近江吉明教授(フランス史)は、ここから「民衆の願いがどのようなものであり、どう集約され、革命へとつながっていったのかをたどることができる」と分析する。 例えば、オート・ロワール県での陳情書。革命の年の5月の全国三部会で何を要求するか、地域や身分ごとにまとめたのが陳情書だ。まず教会の管区や職域団体で決め、それを市などの単位でまとめ、最終的に県単位で集約した。 オート・ロワール県の文書館にも残っていない市段階の第3身分(一般庶民)の陳情書が、ベ文庫には含まれていた。記された要求は36条あり、身分制度の撤廃や人権の尊重、出版の自由など革命を貫く理念が冒頭を占め、ついで税の軽減や統一した度量衡の制定を求める項目が並んでいた。 「フランス革命の新しい研究拠点となりえるはずだ」と近江さんは力を込める。 PR情報この記事の関連情報 |