現在位置:asahi.com>文化・芸能>文化>文化一般> 記事 感じる文学 東京都写真美術館「文学の触覚」展2007年12月25日15時32分 作家による小説や短歌を、メディアアーティストが様々に視覚化する「文学の触覚」展が、来年2月17日まで東京都写真美術館で開かれている。講談社の文芸誌「群像」が企画に参加しており、見る、聞く、触るなど五感を総動員して文学世界の奥行きを広げる試みだ。
「きれいな色です。それは、何色ですか」 薄暗い部屋で鏡の前に立つと、川上弘美の声が静かに問いかけてくる。児玉幸子のインスタレーション作品「七つの質問」。鏡の下の白い容器には磁力のある液体が満ち、ボコリと音を立てて水面が揺れる。 平野啓一郎と中西泰人慶応大准教授による「記憶の告白」では、バレーボールのような白い球体を振ると、スクリーンに映る文字の大きさや文章の表記の方向が様々に変わっていく。 「テキストのテーマは回想や記憶。小学4、5年生の頃をイメージしている」と平野は言う。中西と技術的な打ち合わせを重ねた末に完成させた。「小説を書くときと違って、予算のことを考えながら制作したのは新鮮だった」 テーブルの上に手を差し出すと、穂村弘の短歌が映し出される作品も。NTTサイバーソリューション研究所の石井陽子の技術により、手のひらで光った文字は連なり、すーっと流れていく。 ほかに、舞城王太郎の作品生成のプロセスを再生できる「タイプトレース道」や、光と影で表現された松浦寿輝の世界が観客の立ち位置で変わっていく「月の光」など参加型の作品が並ぶ。 企画した森山朋絵東京都現代美術館学芸員は「読む人の想像力に委ねられてきた文学作品が、メディアアートと交わることで表現の幅を広げている。その触覚を感じ取ってほしい」と話している。 PR情報この記事の関連情報文化・芸能
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