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幻の「棺桶」など47年ぶり公開 荒川修作展

2008年03月05日15時28分

 「養老天命反転地」や「三鷹天命反転住宅」などの建築で知られ、従来の美術家像から脱皮してしまった荒川修作(1936年生まれ)。その幻の初期作品が見つかり、「荒川修作―60年代立体作品」展で47年ぶりに公開されている。

写真荒川修作「抗生物質と子音にはさまれたアインシュタイン」(左)と「ワックスマンの胸」(右=ともに、1958―59年)

 見つかったのは、「抗生物質と子音にはさまれたアインシュタイン」と「ワックスマンの胸」など3点。58年から59年にかけて制作し、61年に東京・夢土画廊で開いた個展で他の10点余の連作とともに発表した作品だ。

 それぞれ、セメントや綿、ナイロンなどで作られた不気味なオブジェが、紫色の布に囲まれて木箱に納められている。人体の一部も連想させ、エロチックでもあるのに、箱の板はバーナーで焼かれるなど、どこか「死」を漂わせるため、「棺桶(かんおけ)」シリーズと呼ばれてきた。

 同種の作品は、名古屋市美術館などに収蔵されているのに、この3点は長く行方不明だった。が、群馬県内の関係者の倉庫で00年ごろに見つかった。ほこりだらけで、セメントは亀裂が入って剥離(はくり)も生じ、布は破れていた。それを、往時の状態の再現をめざして昨年修復を終えた。

 荒川はこの作品を発表した年に渡米し、観念的・思弁的な傾向を強めながら変身していく。しかし、よみがえった「棺桶」は、一貫して「生と死」を追究してきたことを改めて教える。

 15日まで、東京都港区南青山1の26の4、ギャラリー・アートアンリミテッド(03・6805・5280)。日曜と火曜休み。

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