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運慶の仏像、三越が14億円で落札 ニューヨーク

2008年03月19日11時11分

 鎌倉時代初期の仏師・運慶の作とみられる「大日如来像」が18日(日本時間19日未明)、競売会社クリスティーズがニューヨークで開いたオークションで、1437万7000ドル(約14億円、手数料込み)で、日本の顧客を代行した百貨店・三越によって落札された。クリスティーズによると、海外で落札された日本美術品としては最高額。クリスティーズで過去最高とされるのは、87年にロンドンで落札された黒田清輝作「木かげ」の約176万ポンド(当時約4億2000万円)で、「大日如来像」はこれをはるかに上回った。

写真運慶工房作「大日如来像」

 三越は「今回の顧客の名称、個人か団体かは明らかにできない」としている。しかし「日本の顧客」の意向を受けての落札で、懸念された海外流出は回避されそうだ。

 この像は高さ66.1センチのヒノキ製で、個人が所有。輸出できない重要文化財に指定されていなかったため、国外のコレクターらが落札した場合、海外に流出する可能性が高いとして、流出回避策を求める文科相あての署名運動も起きていた。

 大日如来像は、この日のオークションの午前の部に登場。クリスティーズ日本・韓国美術部門長の山口桂さんによると、会場は始まる前から異様な雰囲気。600万ドルぐらいまで8人ほどが競いあったが、最後は三越と別の参加者との一騎打ちになり、1280万ドル(手数料含まず)にまで達した。山口さんは「競りには外国人も多く参加しており、世界の美術市場で日本美術がここまで認められたのだと思う」と語った。

 東京国立博物館教育普及室長時代の04年に、この仏像を運慶工房作と確認した山本勉・清泉女子大教授(日本彫刻史)は「10億円を超えるとは夢にも思わなかったが、国内に残ることになりそうで良かった。美術館が入手したのであればよいが、個人の場合も国立博物館に寄託するなどして鑑賞の機会を作ってほしい」と話している。

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