よみがえった『パリ燃ゆ』
近代ヨーロッパの政治・思想上の大事件だったパリ・コミューンを描く大佛次郎の代表的ノンフィクション『パリ燃ゆ』が、全3巻の新装復刻版でよみがえった。
史上初の民衆による革命政府パリ・コミューンは1871年、パリに成立。短命に終わったが、後の社会主義、共産主義運動に大きな影響を与えた。大佛はフランスで取材、その前夜となるルイ・ボナパルトのクーデターに遭遇したV・ユゴーから筆を起こし、対プロシア戦争、コミューン樹立から瓦解(がかい)、その後まで、雑誌「朝日ジャーナル」「世界」に約3年かけて連載。1964年、単行本になった。
「許される限り、在った事実の力に頼りながら、学術的歴史書の持たない自然の肉付けをし」と、あとがきで書くように、歴史書であり読み物でもありうる名著として名高かった。朝日新聞社刊、各3150円。