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児童文学者の石井桃子さん死去 101歳

2008年04月03日01時17分

 「ノンちゃん雲に乗る」などの創作や「クマのプーさん」など数多くの翻訳で知られる児童文学者で、07年度の朝日賞を受けた石井桃子(いしい・ももこ)さんが、2日午後死去した。101歳だった。

写真朝日賞受賞を喜ぶ石井桃子さん=東京都練馬区で

 埼玉県生まれ。日本女子大英文科卒。文芸春秋に勤めた後、新潮社に移り、「日本少国民文庫」編集に携わった。33年、家族ぐるみで交際のあった犬養毅・元首相宅で、英国児童文学の名作、A・A・ミルンの「クマのプーさん」の原著と出合い、40年に岩波書店から翻訳出版した。

 戦争中から構想を立てていた「ノンちゃん雲に乗る」を敗戦後の47年に出版し、ベストセラーに。55年には鰐淵晴子と原節子の主演で映画化された。

 50年から岩波書店で「岩波少年文庫」「岩波の子どもの本」シリーズなどの編集を担当。退社後、欧米の児童図書館や児童書出版の実情を学んだ。帰国後、共著による「子どもと文学」(60年)などで日本の児童文学の理論的な発展に貢献した。

 また、自宅の一部を開放して、子ども図書館「かつら文庫」を開設。多くの子どもたちに親しまれた。その活動記録「子どもの図書館」(65年)は、子ども文庫の普及に大きな影響を与えた。

 54年に児童文学の発展に尽くした功績で菊池寛賞。85年には第1回子ども文庫功労賞。93年には日本芸術院賞を受けた。

 他の著書に「山のトムさん」「三月ひなのつき」「幼ものがたり」「児童文学の旅」「幻の朱い実」など。訳書に「ピーターラビットのおはなし」「子どもがはじめてであう本」などがある。99年には「石井桃子集」全7巻(岩波書店)が完結した。

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