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紀元前22世紀、世界最古の鋼 トルコの遺跡から出土

2008年04月20日05時54分

 トルコのカマン・カレホユック遺跡で出土した鉄片が、紀元前22世紀ごろの鋼であることがわかった。鉄製品としては世界で最古。「鉄の生産技術が、現在のトルコにあたるアナトリア半島で独自に生まれた可能性が高まった」と関係者は話している。

写真カマン・カレホユック遺跡で出土した世界最古の鋼(写真は表と裏)
図  

 この遺跡は中近東文化センター(東京都三鷹市)が調査、01〜02年にかけて3点の鉄片が見つかり、岩手県立博物館の赤沼英男・上席専門学芸員(文化財科学)が分析した。

 鉄片は長さ約2〜6センチで、うち1点は鋼。出土した粘土板文書や炭化物の放射性炭素年代などから、現地にメソポタミアのアッシリア商人が植民地を築いたり、鉄の帝国として知られるヒッタイトが建国されたりするより前の、紀元前22〜20世紀のものと考えられている。

 鋼以外の2点は、鉄の原料である赤鉄鉱と、焼けてガラス化した粘土の中にごく小さな鉄が固着したものと判明した。焼けた粘土は、鉄生産の際に使われた炉などの一部とみられる。

 赤沼学芸員は3年前にも同遺跡で、紀元前19世紀の鋼の破片を確認している。「前回は別の場所で作られた鋼が持ち込まれた可能性もあったが、今度は炉の一部とみられる粘土片や原料も見つかった。鉄にかかわる生産活動が行われていた可能性は高い」と指摘する。研究成果は20日、同センターで開かれるトルコ調査研究会で発表する。

 同センターの大村幸弘・アナトリア考古学研究所長は、「鉄の使用開始をめぐる具体的な形がようやく見えてきた。紀元前22世紀という年代は、アッシリア商人がアナトリア半島に植民地を築く前で、彼らの影響は考えにくい。アナトリア半島で独自に鉄生産が始まった可能性を考えるべきではないか」と話している。(宮代栄一)

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