セシリア・アハーンさん=東京・銀座、伊藤圭撮影
■『P.S.アイラヴユー』が来月文庫化
デビュー作にして世界で500万部のベストセラーとなった小説『P.S.アイラヴユー』の文庫版が8月6日、小学館から発売される。それに先立ち、著者のセシリア・アハーンさん(26)が初来日した。アイルランド前首相の令嬢でもあるセレブ作家は、「心の旅を書いていきたい」と抱負を語った。
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『P.S.アイラヴユー』は04年、母国アイルランドを皮切りに40カ国以上で出版されてベストセラーとなり、日本でも作家の林真理子さんの翻訳で話題になった。
最愛の夫をがんで亡くし、失意のどん底に陥った主人公の女性が、いないはずの夫から届く手書きのメッセージに導かれながら喪失感と向き合い、友情や家族との関係性を再構築してゆく物語。ヒラリー・スワンクとジェラルド・バトラーの配役で映画化され、日本では10月に公開される。映画には原作とは違う設定も多く盛り込まれたが、「その点は覚悟していました。ビジュアルがとても美しく、何より、物語のハートが描かれている」と満足げだ。
デビュー当時、21歳という若さ。だが不安は感じなかったという。「毎日のように様々な国から出版契約の依頼が届きました。その幸福な日々の中で『私はやっていける』と感じました。幸い、アイデアがたくさんあるのです」
その言葉通り、04年11月発表の2作目「Where Rainbows End」、翌年発表の「If You Could See Me Now」と、発表するごとにベストセラーになった。
アイルランドの前首相、バーティー・アハーン氏の次女。父は、幼少期から短編小説や詩を書くことに没頭するまな娘を温かく見守り、よき読者でもあり続けた。「父は私の成功を心底喜び、作品もすべて目を通してくれます。映画も3度もみて、アイルランドが美しく描かれたことに歓喜していました」
書き上げたばかりの6作目のテーマは「時間」。クリスマスのころ発売予定だ。
「喪失体験などで落ち込んだ人の、心の旅を書いていきたいと思っています。様々な困難を乗り越えて、『何とか明日の準備ができた』ぐらいのポジティブさで終わることが多いのです。そうしたストーリーの中から、読者がそれぞれに何かを感じてくれたらいいですね」(浜田奈美)