夏休み、各地で漫画家の展覧会がにぎやかだ。日本の少女マンガ展や人気作家の個展、夏はやっぱり、の妖怪展も。ふだんは漫画に縁のない美術館や博物館も多く、これをきっかけに足を運んでもらおうとのねらいもある。
京都市の京都国際マンガミュージアムでは「少女マンガパワー!」を開催中(8月31日まで)。50〜60年代の成立期、70年代の革新期、80年代以降の発展期に分けて、23人の漫画家の原画や愛用品など300点余りを展示し、描かれたテーマや女性像、画面構成の変遷などを紹介する。
トップバッターは手塚治虫。「少女が自ら運命を切りひらいて物語を進める少女マンガの原型は『リボンの騎士』にある」と、同館の表智之研究員は話す。その後、里中満智子さん、竹宮恵子さん、萩尾望都さんらの活躍を経て、男女の枠を超えた作品を生むよしながふみさんまでをたどる。
静岡県三島市の佐野美術館では、しりあがり寿さんの個展「スミ絵だったり アニメだったり」(9月1日まで)。巨大な墨絵や短編アニメ、漫画の原画、学生時代の作品など約40点が並ぶ。高さ3メートル弱、幅36メートルもの障子紙に描いた新作の墨絵「パレード」は、祭りの高揚感とともに脱力感や切なさも漂う。
甲府市の山梨県立美術館の「やなせたかしの世界」展(8月31日まで)は、アンパンマンの絵や絵本原画のほか、やなせさんの墨彩画など120点を展示する。両館とも漫画家の展覧会は初めて。古美術品で知られる佐野美術館の中村麻紀学芸員は「ふだんあまり来ない人を呼び込みたい」。
ほかにも大阪府吹田市の府立国際児童文学館は「手塚治虫と幼年漫画の歴史」展を開いている(10月30日まで)。
ゲゲゲの鬼太郎など水木しげるさんの展覧会も各地で開催中だ。山形県の米沢市上杉博物館(9月15日まで)は「鬼太郎をきっかけに日本の闇文化を伝えたい」と幽霊や妖怪を描いた江戸時代の錦絵なども展示。広島市郷土資料館(8月31日まで)は作品に登場する柳行李(やなぎごうり)や木の風呂などを展示し、子どもたちに昔の暮らしを伝えようとしている。(小川雪)