天井からつり下げられた丸い鏡16枚がゆっくり回転し、人々や周囲の様子がちらちらと見えたり隠れたりする。そんな鏡像の変化を追っていると、どこからか、人の声、音楽、雑音が聞こえてきて、途切れる。鏡と音の迷宮に入ったかのようだ。
英国のケリス・ウィン・エバンスとスロッビング・グリッスルによる作品「あ=ら=わ=れ」だ。11月30日まで横浜市で開催中の「横浜トリエンナーレ2008」の一会場、新港ピアで体感できる。
実は、鏡の裏に数多くの小さな穴があり、スピーカーとなっている。音をレーザービームのように狭い範囲だけに届けるので、場所によって音は聞こえたり聞こえなかったりする。鏡に映る観客自身も作品の一部となり、不思議な感覚を与える。
ウィン・エバンスは光、文章、音、オブジェを組み合わせる作品に取り組んできた。前衛音楽家グループと共同制作した今回の作品は、音楽とオブジェを融合させた新しい空間芸術といえる。
横浜トリエンナーレは、3年に1度の現代アートの国際的な祭典で、今回は25カ国・地域の72人によるユニークな作品が並ぶ。問い合わせはハローダイヤル(03・5777・8600)へ。