
リニューアルしたマガジンハウスの情報誌「Hanako(ハナコ)」が好調だ。出版業界では「雑誌のリニューアルは成功しない」とよく言われるが、新装1号「東京カフェ案内」(7月24日発売号)は9万3千部を売り、7千部増刷した。「横浜案内」(同8月28日)、「銀座案内」(同9月25日)も各9千部、5千部を刷り増した。
創刊はバブル期の88年。「首都圏に住む27歳のOL」をターゲットに部数は35万部(公称)に達し、ファッションやグルメに敏感な「Hanako族」を生んだ。しかしメディアの多様化で、最近は「8万部から下り坂」(同社雑誌営業部)だった。
今春編集長になった北脇朝子さん(41)は6年のOL、ライター生活を経て入社。以来「Hanako WEST」(90年創刊)一筋だったが、関西はネットの普及で情報誌の苦戦が早く始まり、よく「ネットに襲われる夢を見た」。同誌で編集長も務めて改革を進め、部数は6万部台から9万部台に。今年4月、「Hanako」に転じた。
北脇さんの改革の鍵は「情報誌の雑誌化」だ。生命線の情報量を、あえて厳選。写真・レイアウトの流れやテンポに気をつかう。判型を大きくし、写真中心のページを増やした。大事なカットは取材終了後でも撮り直し、1枚で街のイメージを伝えようとする。「情報量より、街の空気を切り取ることが大事。後はページのリズムや質感で、いかに雑誌らしく伝えるか」
「情報はタダ」が当然視されつつある中、「Hanako」は定価を60円上げて450円に。それでも部数が上向いた。休刊相次ぐ出版業界だが、やれることはまだ多いのではないか。(竹端直樹)