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開高健の代表作 『夏の闇』直筆原稿、再現し出版

2009年1月7日10時39分

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 小説家開高健の没後20年で、代表作『夏の闇』の直筆原稿が、限定700部の愛蔵版として売り出された。原寸大の原稿用紙408枚。書き損じがほぼなく、丸みを帯びた人懐っこい字の連なり。名文家の筆遣いが今も、鮮やかに感じられる。

 『夏の闇』は1971年、文芸雑誌「新潮」に掲載された。主人公はベトナム戦争で信ずべき自己を見失った作家とおぼしき「私」。ドイツの大学で博士論文を書き上げたばかりの「女」と10年ぶりに夏の入り口のパリで再会。秋の忍び寄るベルリンで別れるまでひたすら眠り、食べ、交わり、「私」はベトナムの戦場に帰ることを心に決める。

 ベトナム戦争取材で九死に一生を得た開高の体験が色濃くにじみ、現代人の魂の地獄と救済を描いた作品ともいわれる。89年12月に世を去った開高への弔辞で、司馬遼太郎は「『夏の闇』一作を書くだけで、天が開高健に与えた才能への返礼は十分以上ではないかと思われた」と評した。

 没後20年の節目に、旺盛な仕事の成り立ちを伝えようと、かつての担当編集者らでつくる開高健記念会が直筆の出版を企画。「両眼をあけたままで眠れ。」などと記された直筆「出版人マグナ・カルタ九章」も同封される。1万5千円(税込み)。送料などの問い合わせや申し込みは、同会(ファクス0467・87・0567か、kaiko@k9.dion.ne.jp)へ。(木元健二)

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