会場では、奥の机で実際に模型も作られた=東京・本郷
白一色に統一された建築模型が、ひたすらに並ぶ。さながら、模型の森。東京・本郷の東京大総合研究博物館で2月13日まで開かれている「建築模型の博物都市」展は、そんな展覧会だ。学生たちが制作した模型を中心に紹介し、模型とは何か、展示とは何か、と再考する機会になっている(土日曜、祝日休み)。
薄暗い部屋、古びた机に並ぶ白い模型の数々が、照明のもと浮かび上がる。
現在展示されているのは、約120点。模型は大きく、国立西洋美術館やグッゲンハイム美術館など内外の美術館・博物館、フランク・ロイド・ライトや安藤忠雄の住宅などの名作、未来志向の提案型建築に分けられる。
白一色に統一されているうえ、縮尺が300分の1や100分の1にそろえられているため、すべてを等しく見ることが可能。リアルな模型や、背景まで写る写真とは違い、形やバランスの違いが、より純化した形で分かる。建築を理解する道具、つまり現実のモデルとしての模型の役目が強調されている。
展覧会当初は、約90点だった。増えた分は、会場に設けられた模型制作コーナーで学生たちが作ったものや、会期中のワークショップで作られたものだ。
「博物館を保存だけでなく、創造の拠点にしたかった。モノを作り、その過程を含めて展示することを考えた」と企画者の松本文夫・同館特任准教授。
白い模型は動物の白骨も思わせ、モノの棺(ひつぎ)という旧来の博物館のイメージもある。一方、制作コーナーの存在は、モノ作りの場のイメージ。ほかの建築展にはない緊張感をはらんでいるのは、モノの誕生から死までを思わせるためかもしれない。(大西若人)