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コルビュジエ作品群 世界遺産「見送り」(1/2ページ)

2009年7月1日14時45分

写真:東京・上野公園に立つ国立西洋美術館の外観東京・上野公園に立つ国立西洋美術館の外観

写真:国立西洋美術館のホール国立西洋美術館のホール

 東京・上野の国立西洋美術館本館など、ル・コルビュジエ(1887〜1965)の作品群は、世界遺産にふさわしいのか。6カ国、22カ所の「ル・コルビュジエの建築と都市計画」について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は、今年の登録見送りを決めた。ただ審議では登録に前向きな意見が多く、一歩前進。残る課題はなにか。(小川雪)

 スペイン・セビリアで開かれた委員会は今回、コルビュジエの作品群を、4段階評価(登録、情報照会、登録延期、不登録)で2番目の「情報照会」とした。だが、文化庁によると、21カ国の委員からは、登録を支持する意見が多かったという。

 委員会に先だって、諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)は「登録延期」を勧告。その際、二つの課題を示した。一つは、1人の建築家による世界各地の作品を、世界遺産における「連続性のある資産」と認められるのか。もう一つは、コルビュジエ建築の普遍的な価値を示すのに、22資産の顔ぶれや保全状況が適切かどうかだ。

 委員会は前者は認めたが、後者で意見が割れたようだ。登録すべきか議論は決着せず、最後は投票に。登録へあと一歩に迫った。推薦国による「20世紀の居住環境や、建築・都市空間についての思考様式を一変させ、今日もすべての建築家や都市計画家が共有する文化的な土台をなす」との主張が一定の理解を得たといえる。

 ただ、「連続性のある資産」をめぐる、イコモスと世界遺産委員会の考えのずれも浮き彫りになった。イコモスは、世界遺産は個人の顕彰ではなく有形物の保護制度であるとの「前提」と、国境をまたぐ山や湖、共通の文化圏の遺跡などを登録してきた「前例」を重視したが、委員会は「近代建築の父」の偉大な業績を評価した結果とみることができる。

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