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故郷訪れ見えた作曲家たち 伝記シリーズ完結 ひのまどかさん(1/2ページ)

2009年8月1日15時15分

写真:ひのまどかさんひのまどかさん

 クラシック音楽を題材にした小説や作曲家の伝記を書き続けてきた、ひのまどかさんが30年近くに及ぶライフワークを完結させた。「作曲家の物語シリーズ」(リブリオ出版)の20巻目で、ロマン派の天才メンデルスゾーンを取り上げた。作曲家らの波乱のドラマを浮かび上がらせている。

 ひのさんは東京芸大でバイオリンを専攻。卒業後は東京ゾリステンの専属演奏家を務めた。そして、作曲家に特有の表現を生んだ背景に興味を持った。20代後半から約10年間、「もぐりの学生」として、世界の民族音楽の膨大な収集と研究で知られた東京芸大の小泉文夫教授(故人)の教室に通った。

 「鷹揚(おうよう)な時代で、来る者は拒まずでした。フィールドワークの大切さを知り、社会、宗教、風土など音楽を育む背景への関心を深められた」

 その後、演奏活動から執筆へと関心が移った。80年代初めから「作曲家の物語シリーズ」に取り組み始めた。

 現地取材を基本にした。第1、2弾の作曲家はチャイコフスキーとバッハで、取材地はソ連と東独。だが、取材規制と官僚主義に悩まされた。軍事施設のある町で取材許可が下りなかったり、出発間際で飛行機から列車に移動手段を替えられたり。

 「通訳も実は監視役。夜眠っていると、通りを戦車が通ることもあった。でも、最初にそんなハンディを乗り越えられたから、その後、腹がすわったのかも知れない」

 時代を追って満遍なく記述するのでなく、重要な活動を拡大してドラマチックに描く重点主義を取った。最終巻のメンデルスゾーンでは、バッハ「マタイ受難曲」の復活上演と、ユダヤ人として不当に低い評価を受け続ける姿を浮き彫りにしている。

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