2009年11月16日11時32分
田中裕明
詩歌中心の出版社ふらんす堂(東京都調布市)が、「俳句の未来をになう若手俳人を育てる」という目的で「田中裕明賞」を創設した。
田中裕明は、大阪生まれ、高校時代に波多野爽波に師事、早熟の才能を開花させ22歳の時に最年少で角川俳句賞を受賞する。00年に「ゆう」を創刊するも、04年、45歳で急逝した。〈糸瓜棚この世のことのよく見ゆる〉は第五句集『夜の客人(まろうど)』の最終に置かれた句。みずみずしい詩情をたたえた田中俳句は、今も読者を広げ、田中研究と作品を語る「静かな場所」は4号を数えている。同世代で「俳句は座の文学、信じられる仲間でした」という俳人の小澤實さんは主宰誌「澤」で特集を組み、手書きの第一句集『山信』を復刻するなど読み継ぐひとり。「〈大学も葵祭のきのふけふ〉。何か懐かしさがある句でしょう」。新鋭作家を対象とした賞は少なく、若い作家の発掘、励みにつながればうれしい、と話す。
応募資格は、09年1月1日から12月31日までに刊行された句集で、12月30日時点で満45歳までの人。締め切りは10年1月31日。選考委員は石田郷子、小川軽舟、岸本尚毅、四ツ谷龍の4氏。問い合わせは、同賞事務局(03・3326・9061)。(佐々木正紀)