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運動の論理貫き30年 理論・情報誌「インパクション」

2009年12月17日14時43分

写真:「インパクション」の創刊号(左)と最新号「インパクション」の創刊号(左)と最新号

 死刑廃止や反基地、反天皇など、大手メディアが伝えない運動を紹介し続けてきた理論・情報誌「インパクション」(隔月刊)が創刊30年を迎えた。

 1979年発行の創刊号(当時の誌名は「インパクト」)の特集テーマは「第三世界と日本」。寄稿者には広河隆一氏のような著名人のほか、成田空港反対運動のリーダーだった故戸村一作氏らの名が並ぶ。最近でも、学者やジャーナリストだけでなく運動実践者が書き手となる構成は変わらない。

 創刊時、すでに学生運動のピークは過ぎ、左翼系総合誌の休刊も始まっていた。代わって登場したのが、ウーマンリブや自然保護など、シングルイシューを掲げた雑誌。創刊以来編集長を務める深田卓さん(61)は「それぞれの運動がタコツボに入り、『専門化』しかけていた。各運動をつなぐ総合的なメディアが必要だと考えた」という。

 ほぼ一人で編集実務を担い続けてきた深田さんは、86年に独立し、「(株)インパクト出版会」の社長になった。現在の発行部数は数千部、30年前より3割ほど落ちたと言い台所は楽ではないが、DTP化で制作費が30年前の3分の1に下がったこともあり、十分採算はとれていると話す。

 07年11月には、金光翔氏の論文「〈佐藤優現象〉批判」が注目された。「反貧困」の特集号では、20〜30代の若い読者もつかんだ。しかし、あえて「売れ筋」企画を繰り返すことはしない。商業誌として30年間成り立たせてきたが、根っこにあるのはあくまでも運動の論理だ。

 「この手法は総合雑誌としては通用しないかもしれないが、ほかの雑誌がやらないことを運動現場の視点から考えることが特徴。単なる評論をするつもりはありません」(樋口大二)

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