2010年1月18日11時40分
■成長楽しむファン
隆盛の背景には、ファンの存在も大きい。GSPスタジオの高橋爾社長(42)は「バンドのイベントでは、お目当てのバンドが終わると帰ってしまうお客さんも多いが、地下アイドルのお客さんはジャンル全体のファン」とみる。ライブハウス「Zoo Station」(名古屋市)オーナーの大久保卓弥さん(37)は「お客さんは自分たちで育てるというプロデューサー的な感覚を楽しんでいるのでは」。
「AKB48」の名古屋版「SKE48」と地下アイドルを同時に応援する会社員の田尾知之さん(36)は「SKEは人気が出てチケットを取るのが難しく、地下アイドルイベントに通うようになった。話せて握手もできて『距離感ゼロ』なのがうれしい。妹みたいな存在で成長を見守ることができる」。
地下アイドルをプロデュースする音楽家のサエキけんぞうさんは「男性ファンの中で激しくパフォーマンスする地下アイドルは、品の良い従来のアイドルとは違うアグレッシブな魅力がある。男性主導ではなく女性が主体という点でも従来のアイドルと違う。自己実現したいという欲求が強く、ロックスターみたい。70年代のパンクムーブメントのようになる要素がある」とみている。
■専門誌創刊号、ほぼ完売
専門誌も登場した。昨年10月に創刊された「きゅあ Mani」はネット通販限定だが、1万5千部の創刊号はほぼ完売した。インタビューや写真の撮られ方などファンだけでなくアイドルにも実用的な内容だ。
発行元の「エイジアハウス」では、まずは多くの人にライブに足を運んでもらい、インディーズアイドルの歌唱力の高さを知ってもらうのが狙いという。メジャーへの後押しにも、と考えている。
同社はビジュアル系ロックバンドの情報誌を手がけていた。夏野元嗣代表は「ビジュアル系とインディーズアイドルは物販や客の乗せ方がよく似ている。アニメやビジュアル系と並んで海外で親しまれているアイドルを、日本文化として広めたい」と米国での展開も視野に入れている。(小林裕子)