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軽やかにポップに仏像作品 秋山祐徳太子展/本堀雄二展(1/2ページ)

2010年6月23日15時27分

写真:秋山祐徳太子個展「高貴骨走」=東京都新宿区住吉町のアイショウミウラアーツ拡大秋山祐徳太子個展「高貴骨走」=東京都新宿区住吉町のアイショウミウラアーツ

写真:本堀雄二展「紙の断層 透過する仏」=東京都中央区京橋3のINAXギャラリー拡大本堀雄二展「紙の断層 透過する仏」=東京都中央区京橋3のINAXギャラリー

 阿修羅展(2009年)が東京と福岡で計165万人を集めるなど、ここ数年は仏像ブームといわれる。その余波を感じさせる二つの個展を東京都内でみた。

 ひとつは、秋山祐徳太子展。「高貴骨走」と名付けた同展は、75歳になった前衛美術家による個展だ。

 展示の中心は、初めての発表となる「ダリコ佛(ぶつ)」で、一室に13体が並ぶ。

 秋山はトタン板を曲げ、はんだでとめた「ブリキ彫刻」を手がけてきた。今回、仏像の形にしたのは、寺院から借りた民家が会場だからという。

 「円空にひかれる」と本人がいうように、素朴な形は円空仏を連想させる。だが、それだけではない。

 「ダリコ」は元々、日の丸を背負い、ランニングシャツに短パン姿で町中を疾走する秋山の「ポップハプニング」の名称で、「ダリコ佛」も光背の代わりに日の丸を背負う。台座が発泡スチロール製ということもあり、作品には鑑賞者をからかうような軽やかさがある。円空仏とも、仏像ブームを笑い飛ばすガラクタともとれる作品群だ。

 もうひとつが、本堀雄二展。

 1958年生まれの本堀は、関西を拠点に活動する彫刻家で、9体の「BUTSU」をすべて段ボールで作っている。

 特徴的なのは、使用済みの段ボールを同じ向きに重ねている点だ。真正面から見ると、段ボールの側面にあるトラス構造ばかりが目立ち、仏像が透けて見えるようになっている。

 中心に配置した仏像は、薬師如来坐像がモデルという。入り口近くには観音像もある。どれもすかすかな立体で、薬師如来は天井からの細い糸で宙に浮く。ここでも軽やかさが際だつ。

 考えてみると、ブームは仏像を、信仰だけでなく鑑賞の対象へと広げた。仏像は「好き、嫌い」で語られるものに。偶然重なった2個展の軽みは、仏像のポップ化を表すともとれる。(西田健作)

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