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これぞ楽園? 手作り「オルタナティブフェス」(1/2ページ)

2010年9月20日10時46分

写真:「なんとかフェス」のステージは地べたに畳。演奏が終わると急に静寂に包まれ、虫の声と川の流れが聞こえてくる拡大「なんとかフェス」のステージは地べたに畳。演奏が終わると急に静寂に包まれ、虫の声と川の流れが聞こえてくる

写真:就職氷河期世代が作るかき氷。質素ながら出店もたくさんあった=いずれも近藤写す拡大就職氷河期世代が作るかき氷。質素ながら出店もたくさんあった=いずれも近藤写す

 夏の恒例となった野外の音楽フェスティバルに、変化の兆しがある。といっても、有名ミュージシャンを呼んで数万人規模の聴衆を集めるメジャーなフェスの話ではない。「自分たちの祭りは自分たちで創(つく)る」と小規模・手作りで楽しむオルタナティブ(もうひとつ)のフェスティバルがブームになりつつあるというのだ。

 JR長野駅から鈍行に乗り換え安茂里駅で下車、徒歩で山の中に入る。狭い林道を登って小1時間、汗で全身から塩を噴き、やっと遠くからバンドの音が聞こえてきた。8月20日から3日間にわたって開かれた「なんとかフェス」の会場にたどり着いた。

 地べたに畳を敷いた“ステージ”では、関西のパンクバンド、ジェロニモレーベルが歌っている。「イモを食って、サバを焼いて/チラシ配って生き延びる」

 メーンステージから小川を越えさらに山奥に進む。2メートルほどある壁を、急造のはしごでよじ登れば、DJブースのある第2ステージに出る。がけの前で、“首謀者”のひとり、東京・高円寺のリサイクル店「素人の乱」の松本哉さんがビールを飲んでいた。

 「関東と関西から交互に草刈りに来て会場を作った。山は近くのリサイクルセンター仲間の持ち物。音響機材もみんなリサイクル店から持ち寄った。沖縄から仙台までミュージシャンが来てくれる。去年は川でビールを冷やしたけど、今年は電源を引いてビールを冷やしてますよ」

 ビールは300円。参加者が炊事する「今日のごはん」は、米南部のごった煮ガンボに米飯、フライドポテト、サラダで300円。主催のひとり、新宿の雑貨店IRAの成田圭祐さんは、「カンパでやっています。250人来て1人千円払ってくれればトントンに。払わない人もいるけれど、しつこく徴収にいきたくない」。

 フジロックやサマーソニックに代表される日本の夏フェスは、観客動員147万人、150億円市場(2008年、ぴあ総研調べ)にまで成長した。今年のフジロックも動員はのべ12万5千人。一方、「なんとかフェス」は、「高い金を払い、消費者として与えられた自由なんかクソ食らえ。祭りは自分たちで作らないと話にならない」(松本さん)と、09年から始まった。

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