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「生きている」建築、再評価 菊竹・黒川ら参加「メタボリズム」半世紀(1/2ページ)

2010年12月22日14時40分

写真:ベネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館の展示=伊・ベネチア市、大西写す拡大ベネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館の展示=伊・ベネチア市、大西写す

写真:菊竹清訓設計「エキスポタワー」(1970年)拡大菊竹清訓設計「エキスポタワー」(1970年)

写真:黒川紀章設計「中銀カプセルタワービル」(1972年)拡大黒川紀章設計「中銀カプセルタワービル」(1972年)

 いま「メタボ」と聞けば、ぽってりとした腹部が思い浮かぶ。だが建築界では長く、1960年に始まる建築理論のことだった。菊竹清訓、黒川紀章の両氏らが参加し、世界的にも知られた前衛的な運動「メタボリズム」。あれから半世紀、大きな振幅のなかで再評価の動きが続いている。

■「新陳代謝」の思想

 実寸の約2分の1というリアルな住宅模型が来場者を楽しませた。先月までイタリアで開かれていたベネチア・ビエンナーレ国際建築展では、そんな展示の日本館が「トウキョウ・メタボライジング」をテーマに。今年2月、東京では若手建築家らによる「メタボリズム二・〇」という議論の場も開かれた。

 メタボリズムとは、生物学用語で「新陳代謝」。60年に東京で開かれた世界デザイン会議に際し、建築評論家の川添登氏、建築家の菊竹、黒川、大高正人、槇文彦の各氏、デザイナーの栄久庵憲司氏、粟津潔氏といったメンバーが、“メタボリズム宣言”を発表した。

 都市の混乱と高度消費社会の兆しを背景に、固定した建築や都市を否定し、空間や設備を取り換えながら生物のように新陳代謝する、といった考え方だ。タワーに交換可能なカプセルが付くイメージが有名だ。海上都市や人工土地が唱えられ、理論を反映した建築として、菊竹氏の大阪万博「エキスポタワー」や沖縄海洋博「アクアポリス」、黒川氏の「中銀カプセルタワービル」などが実現した。

 こうした未来的イメージと、建築家の塚本由晴、西沢立衛両氏の住宅模型を見せたベネチアの日本館の展示はかなり違う。企画者の建築家・北山恒氏は、「世界的なアイデアだが、機械部品のようには都市は更新できない。50年後の東京は、個別の土地で民主的に建て替わり、それが集まって都市になっている。生成変化は、我々の文化の属性と考えた」と語る。「批判的継承」としての展示なのだ。

 メタボリズムに、未来的、機械的な建築・都市像を見て「楽観的な技術信仰」ととらえる傾向は根強い。実現した建築が、実際にはほとんど変化せず、エキスポタワーのように取り壊されてしまう例があることも、影響を与えていそうだ。

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