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2011年8月17日14時56分
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小島なお歌集「乱反射」映画化

写真:「母は私の歌を批評する。厳しい。そして的確です」=東京・銀座拡大「母は私の歌を批評する。厳しい。そして的確です」=東京・銀座〈「乱反射」を楽天で検索〉

 歌人小島なお(24)の青春譜、第1歌集『乱反射』(角川書店)が映画になった。桐谷美玲主演の2本立て「乱反射/スノーフレーク」中の一作だ。

 小島は2004年、角川短歌賞を18歳で受賞。女子高生の日常と内面を凝縮して注目を浴びた才はその後もさらに鋭く、07年には『乱反射』を刊行した。

 映画化への動きは刊行後まもなく始まった。歌集が原作の映画は異例だ。しかしたとえば集中の〈噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし〉に象徴的な、イメージ喚起力を持つ一連を、映画人は思春期まっただ中の少女の物語と読んだのだ。

 桐谷演じる主人公の女子高生志摩は歌壇期待の新人だが、実は歌作を同級生には知られたくない。“年寄りくさい”と仲間から浮き上がることをおそれている。憧れの男子との交際が始まった。だがセックスを拒んで破局……。

 そんな志摩が、久しぶりに帰省した幼なじみの航大と再会する。気持ちを許した者同士の構えないやりとり。志摩の心に、ふっと慕情が兆す。映画の仕上がりは、胸キュンのラブストーリーだ。

 「一首一首が独立している短歌でどうやって映画の流れをつくるのか、全く想像がつかなかった」と小島はいう。「でも完成した作品を見ると、等身大の私の青春の再現でした」

 大学を卒業後、IT企業に就職。最近、一人暮らしを始めた。「母には反対されたけど、自立しなくちゃ。時々寂しい。でも後悔していない」

 「母」とは、迢空賞歌人小島ゆかりである。映画では高島礼子が演じ、志摩の短歌と向き合う姿勢を批判するシーンもある。

 「あの場面は本当。『中途半端な気持ちだったら、私の大切な世界に入ってこないで』。脚本の方に、忘れられない母の言葉ですと話したら使われていた」

 第2歌集『サリンジャーは死んでしまった』(角川書店)が出たばかりだ。学生から社会人となり、失恋し新たな恋を得た小島の変容を写し出す。

 「仕事がいそがしくて気持ちの切り替えが難しい。でも土曜日曜日にがんばって歌をつくってます」

 映画は東京・シネマート新宿ほかで上映中。全国各地で順次公開される。

(河合真帆)

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