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2011年9月20日10時54分
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村上隆に作品落札額の1% カタログ掲載の対価

写真:計240万円で落札された村上隆の作品2点のうちの一つ「タイムボカン−Fatman Gold」(C)Takashi Murakami/Kaikai Kiki)拡大計240万円で落札された村上隆の作品2点のうちの一つ「タイムボカン−Fatman Gold」(C)Takashi Murakami/Kaikai Kiki)

 作品に1億円超の高値がつくことでも知られる現代美術家の村上隆が、国内のオークション会社と、「転売時の落札価格の1%を受け取る」契約を結んだ。これまで芸術作品の作者は作品をいったん手放せば、高く転売されても利益を還元されることはなかった。そんな現実に風穴を開けようとする試みだ。

 契約相手は「エスト・ウェストオークションズ」(東京都品川区)。古書店が本を高く売っても、著者が金銭を受け取ることがないのと同様、オークション会社など転売業者に作者への法的支払い義務はない。

 そこで村上は、エスト社が出品作品を紹介するカタログに、作品の画像を掲載することへの対価として落札価格の1%を受け取ることにした。名目は掲載の許諾料だが、落札されなければ支払う必要がなく、落札価格に応じた金額になるため、実質的に売却利益が還元されることになる。

 契約では、村上を含め、彼の会社に所属する美術家の作品が落札された際、落札価格の1%を受け取る。受取額の上限は150万円。落札額が45万円未満の時は受取額はゼロとする。

 9日、競売に契約後初めて村上作品が出た。出品されたのは版画など9組(12点)。落札額が45万円以上だったのは1組(2点)で、240万円だった。

 契約のきっかけは、村上の会社に属する美術家4人が2008年、エスト社を相手に著作権を侵害されたと訴えた訴訟。今年3月に和解が成立し、今回の契約が結ばれた。

 フランスやドイツなどでは、著作権法に、美術作品が転売されるたびに売上額の一部を作者が受け取れる「追及権」の規定がある。(赤田康和)

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