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2011年10月31日10時51分
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カメラ女子、ミラーレスに夢中 可愛いもの「採集」

イラスト:一眼レフは、撮影画像をファインダーで確認するために、レンズを透過した光を反射鏡(ミラー)で屈折させる。その機構を省くことで小型軽量化をはかったのがミラーレス。撮影画像は本体背面の液晶画面で確認する。拡大一眼レフは、撮影画像をファインダーで確認するために、レンズを透過した光を反射鏡(ミラー)で屈折させる。その機構を省くことで小型軽量化をはかったのがミラーレス。撮影画像は本体背面の液晶画面で確認する。

 小さくて軽い。でもレンズ交換ができて、いろんな撮影を楽しめる。そんな「ミラーレス」カメラが、若い女性も含めた写真ファンの関心を集めている。

 都内の住宅街に、週末になるとカメラを手にした若い女性たちが集まる。雑誌「カメラ日和」が主催する写真教室の生徒だ。毎月200人近くが参加し、その約9割が女性。ミラーレスを持参する人が多い。

 ミラーレスは2008年にパナソニックが発売し、オリンパス、ソニーが続いた。最近では一眼レフを含めた「レンズ交換式デジタルカメラ」市場の40%(9月、BCN調べ)を占める。10月には老舗ニコンも参入した。オリンパスによると同社製ミラーレス購入者の約4分の1は女性という。

 背景にあるのは「カメラ女子」の台頭。「一つの要因が1990年代の『ガーリーフォト』ブーム。木村伊兵衛賞を受賞したHIROMIXさんらの活躍ぶりにあこがれた世代が写真を楽しむようになった」と、矢島直美・カメラ日和編集長は語る。同誌は04年に創刊し、現在は公称9万部。競合誌も複数現れている。

 プロ写真家はミラーレスを使うのだろうか。ミュージシャンの肖像で知られるハービー山口さんは「サブカメラとして食事の場などの撮影に便利」と限定的。「仕事の8割はミラーレス」と話すのは清水哲朗さん。海外取材が多く「小さいので初対面の人々にも意識されにくい」。

 ともに、小型軽量で液晶画面を眺めながらシャッターを押すミラーレスが被写体を緊張させない利点を生かしている。一方で、「ファインダーをのぞかないと魂がこもらない」(フォトジャーナリストの桃井和馬さん)との声もある。ファインダーの有無が撮影者心理にも影響するようだ。

 写真評論家の飯沢耕太郎さんは「ガーリーフォトのころから、女性の間でゆるい撮り方が現れてきた。それが(液晶画面を眺めて撮る)デジタルカメラの普及で定着した」と話す。さらに写真のクオリティーを志向する女性はミラーレスを手にする、との見立てだ。

 撮影は英語で「shoot」。従来のファインダーをのぞく撮影には「狩猟」のイメージがある。それに対し、液晶画面を眺める撮影は「採集」を思わせる。

 カメラ女子向けの雑誌はペットや花、料理などの写真であふれる。「女性は自分が可愛いと思うものを撮影して楽しむ傾向がある」(矢島さん)。そうした好みとミラーレスが出合い、「採集」的な撮影が広がっているようだ。(西岡一正)

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