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2012年6月20日11時9分
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〈甲乙閑話〉橋下流考える補助線

 R・H・ロービア著『マッカーシズム』(岩波文庫)を読んだ。きっかけは作家・佐藤優氏のコラム(サピオ5月16日号)だ。橋下徹大阪市長の政治手法を理解するには、過去のどの政治家と比較すればよいか。佐藤氏の答えは、米国の上院議員ジョセフ・マッカーシー(故人)だった。

 1950年代の赤狩り、共産主義者追放の嵐をマッカーシーは主導した。同議員によって「彼は共産主義的だ」と名指された公職者らが次々と職場を追われた。自身が次の標的にされることを人々は恐れた。

 反対派は、マッカーシーは米国に画一性を押しつけようとしたのだ、と考えた。だがロービアは、それは違うと書いた。「そのような積極的目標は持っていなかった」「騒ぎを起(おこ)そうとして、非順応者たちを槍玉(やりだま)に上げ、その結果として広範な画一性と正統主義を誘発したのである」

 話題の中心に立つことが目標であり、順応しない者を攻めたのは手段だった。社会から多様性は失われ、“正しくない者”への退場圧力も高まったが、それらは「結果」なのだ。そんな解釈だろう。

 入れ墨がないか、国歌斉唱をするかといった特定の評価基準を厳格に使い、退場圧力をかける橋下市長の手法をめぐって、論壇には「真の狙いが見えない」との声が多かった。ロービアの分析は、理解に近づく一つの補助線に読めた。(塩倉裕)

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