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2012年6月23日10時36分
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「花」への思いと向き合う 千葉・東京の展覧会で見る(1/2ページ)

写真:クロード・モネ「睡蓮」(1907年、DIC川村記念美術館蔵)拡大クロード・モネ「睡蓮」(1907年、DIC川村記念美術館蔵)

写真:アンディ・ウォーホルの作品が並ぶ展示室拡大アンディ・ウォーホルの作品が並ぶ展示室

写真:三木富雄「バラの耳」(1962年、大阪市立近代美術館建設準備室蔵)拡大三木富雄「バラの耳」(1962年、大阪市立近代美術館建設準備室蔵)

写真:荒木経惟「花曲」(1997/2004年)(C)Nobuyoshi Araki Courtesy of Taka Ishii Gallery拡大荒木経惟「花曲」(1997/2004年)(C)Nobuyoshi Araki Courtesy of Taka Ishii Gallery

 身近な題材なのに、あるいは身近な題材だからこそ、か。予想外に多彩な「花」の表現に出合える展覧会が、千葉と東京で開かれている。絵画修練の基本ともいえる静物画から風景画、ポップアートや写真へと、「花」がジャンルを超えて咲き乱れる会場を訪ねた。

    ◇

 DIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)は緑豊かな庭園にかこまれた美術館。ここで「FLOWERSCAPES(フラワースケープ)―画家たちと旅する花の世界」展が開かれている(7月22日まで)。

 題名は「花のある風景」を意味する造語。9章にわたって近現代美術の「花園」を散策するかのような構成で、随所に鑑賞者を引きつける仕掛けがのぞく。

 例えば、第1章で鑑賞者を迎えるのは、モネの「睡蓮(すいれん)」や「バラの画家」ル・シダネルの作品。次の展示室に進むと様相は一変。緑色の床面と黒い壁面の空間にウォーホルとリキテンスタインが並ぶ。印象派からポップアートへという西洋美術の変容をドラマチックに見せる。静物画を集めた展示室では、作者・作品名をあえて見つけにくい場所に掲示し、一見ありふれた「花瓶の花の絵」に向き合うよう促している。

 著名な作家の、意外な作品も鑑賞者を驚かす。

 「非水百花譜」はグラフィックデザインの先駆者・杉浦非水が手がけた木版画集。図案集と植物図鑑の性格もあわせもつ、完成度の高い写生画だが、作家自身は「芸術品として、見て戴(いただ)く積(つも)りは無論ありません」と記したという。

 三木富雄「バラの耳」は、石膏(せっこう)にバラの花柄をコラージュした彫刻。三木は耳をモチーフにして制作を続けた彫刻家で、その初期の作品と見られる。無機質なアルミ鋳造で耳をかたどった、後年の作品との隔たりは謎めいている。

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