現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. ニュース
  3. 文化
  4. トピックス
  5. 記事
2012年6月30日10時22分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

構成力 際立つ円熟期 バーンジョーンズの回顧展

:エドワード・バーンジョーンズ「眠り姫―連作『いばら姫』」(1872〜74年ごろ、油彩、カンバス、126センチ×2378センチ、ダブリン市立ヒュー・レイン美術館蔵)(C)Dublin City Gallery The Hugh Lane, Dublin拡大エドワード・バーンジョーンズ「眠り姫―連作『いばら姫』」(1872〜74年ごろ、油彩、カンバス、126センチ×2378センチ、ダブリン市立ヒュー・レイン美術館蔵)(C)Dublin City Gallery The Hugh Lane, Dublin

 神話や伝説などを題材に、象徴性の高い世界を描いた英国の画家エドワード・バーンジョーンズ(1833〜98)の回顧展が東京で開かれている。日本での単独展は初めてという。

 バーンジョーンズはしばしば、同時代の美術界に反抗し、初期ルネサンスにあこがれた芸術家集団・ラファエル前派の画家とみなされる。その一員だったロセッティに師事したからだ。

 だが、本展監修者のスティーブン・ワイルドマン英ランカスター大学ラスキン図書館・研究所長は「バーンジョーンズはラファエル前派とその精神は共有したが、やがて古典彫刻や盛期ルネサンスの重厚で強いスタイルの影響を受けて、自らの様式を確立していった」と話す。

 円熟期の作品を通覧すると、その構成力が際だつ。例えば、伝承物語に着想した「眠り姫」。横長の画面に、バラ園で眠り続ける王女と3人の侍女を配置し、静謐(せいひつ)な空間を構成する。「想像上の画題を扱ったバーンジョーンズにとって、時間を超えた情景を描くには構成が重要だった」(ワイルドマンさん)

 もう一つの特徴は平面的な装飾性。バーンジョーンズは、アーツ・アンド・クラフツ運動を率いたウィリアム・モリスの商会でタイルや壁画などの下絵を手がけ、書籍出版に原画を提供した。そうした経験が生来の志向に重なり、神秘的で装飾性豊かな物語画に結実したことがうかがえる。(西岡一正)

▽「バーン=ジョーンズ展」は8月19日まで、東京・丸の内の三菱一号館美術館。9月に兵庫県立美術館、10月に福島県郡山市立美術館に巡回する。

PR情報
検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介