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2012年7月4日10時56分
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YouTubeで夢をつかめ 「有名人」目指す若者たち

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写真:HIKAKINの動画から拡大HIKAKINの動画から

写真:スプレーで2人の髪をくっつけたMEGWIN(右)。左はスタッフ=MEGWINの動画から拡大スプレーで2人の髪をくっつけたMEGWIN(右)。左はスタッフ=MEGWINの動画から

写真:ビートボックスの動画を投稿しているHIKAKIN拡大ビートボックスの動画を投稿しているHIKAKIN

写真:お笑いの動画を投稿しているMEGWIN拡大お笑いの動画を投稿しているMEGWIN

 有名になりたい。ただしユーチューブで。テレビ出演やライブに興味がなく、動画投稿サイトで高アクセス数を目指す若者が増加中だ。

■AKB上回る注目度

 世界の8億人が見るユーチューブ。パソコンとカメラさえあれば誰でも動画を投稿でき、その総量は毎分、累計72時間分にも及ぶ。

 その中で注目される日本人の一人が、口だけで何種類もの楽器の音を演出するビートボックスのパフォーマー、HIKAKIN(ヒカキン)(23)。月1本程度、5分前後の動画を投稿している。

 彼の動画をお気に入りに登録している数は36万人で、AKB48公式チャンネルの31万6千人を上回る。ドイツ旅行に行ったら何人もからサインを求められた。ホームページには毎日、コメントが寄せられ、まめに返事を書く。共演したいという声に応えたこともある、という。

 得意だったビートボックスを遊び半分で投稿しはじめてから5年後、大きな変化が訪れた。ゲームの効果音をアレンジして演奏したところ、米Yahoo!のトップページで「すごい日本人がいる」と紹介され、アクセスは5日で100万件を超えた。テレビにも6回出たが、「細かく指示され、やらされている感があった。ユーチューブなら自分のペースで番組ができる」と話す。

 今年1月、仕事を辞め、動画投稿だけで暮らしていくと決めた。コメントでリクエストされた曲を実際に演じるなど視聴者参加型にすることがアクセス数アップのこつ。ユーチューブで世界一登録されることが目標だ。「人見知りだから、ライブやテレビは得意じゃない。ネットなら、世界の人が何年後でも見続けられる。一時じゃなくて、常に有名でありたい」

■テレビ界からネットへ

 テレビ界からネット世界へ移った人もいる。コメディアンのMEGWIN(メグウィン)(35)は22歳から4年ほど芸人生活をしたが、鳴かず飛ばず。その時に思いついたのがネットでのパフォーマンスだ。

 橋にひもをつるして川を渡れるかに挑戦したり、2人の髪をスプレーで固めてつなげてしまったり、3分以内の動画を7年間、毎日アップしている。必勝法は「継続」。「毎日必ずアップする人はそんなに多くない。毎日することで見られる機会は増える」という。登録者数は7万3千人。

 昨年、人気に目を付けた体重計メーカー「タニタ」などから資金を集め、デジタルコンテンツ会社まで立ち上げた。今は自宅にパソコン3台を使い動画を作る。「自宅がスタジオでも番組が出来る。セルフプランニングが魅力。テレビに比べてネットはまだ世間から認められていない。だからこそ、世界一の再生回数を目指すことも夢ではない」

■広告収入分け合う

 彼らはいかに稼いでいるのか。

 ユーチューブを運営するグーグルは2007年から、広告収入を同社と投稿者で分け合うパートナープログラムを始めた。契約後は動画に広告がつき、収入が得られる。普通の会社員を超える年収を得られることもあるという。

 提携した投稿者は世界で約3万人、日本で数千人。広告はデジタルマガジン、ネイル、オンラインゲームなど若者向けが多く、動画の前にテレビCMのように流れたり、動画の下に一定時間置かれたりする。

 広告主は投稿者を指定するか、個別には選ばずにグーグルに「30代女性」「音楽」などターゲットやジャンルを告げ、自動的に広告がつく仕組みをとるか、どちらかだという。

 グーグルの収入のほとんどは広告だ。「良いコンテンツが増えれば、広告主も増える。日本ではニッチに見える個人投稿者も、海外で大きなビジネスチャンスになる可能性はある」(グーグル)という。

 こうした動きについて、批評家の濱野智史さんは、ユーチューブなら双方向のやりとりが可能であることを挙げ、「ただ見るだけでは満足できない。会いに行けるアイドルAKB48のファンと同じ心理。自分たちが支えていると思える有名人を求める若者の気持ちの表れだ」と分析。投稿者についても「広告会社や製作会社の意向が入りがちなテレビに対して、自分の好きなことを思い通りにやれるメディアとして人気があるのだろう」と話す。(江戸川夏樹)

ユーチューブ 「HIKAKIN」動画

ユーチューブ 「MEGWIN」動画

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