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2012年7月5日11時14分
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被災地の寺院、復興のめど立たず(1/2ページ)

写真:本尊の阿弥陀如来像は避難先に持ち出した。それでも月2度のおつとめは欠かさない=6月15日、福島県富岡町の浄林寺拡大本尊の阿弥陀如来像は避難先に持ち出した。それでも月2度のおつとめは欠かさない=6月15日、福島県富岡町の浄林寺

写真:林心澄さんは相馬市の住宅に仮の須弥壇(しゅみだん)を設けた=6月17日、福島県相馬市中村砂子田拡大林心澄さんは相馬市の住宅に仮の須弥壇(しゅみだん)を設けた=6月17日、福島県相馬市中村砂子田

 東日本大震災で被災した寺院の復興が進まない。とりわけ原発事故で避難を強いられた福島県沿岸部では、風化するに任せるような状況が続く。まとまって新たな「寺町」を造ろうという構想もあるが、檀家(だんか)・信徒が全国各地に散らばる中では難航しそうだ。

■檀家とのつながりにも悩み

 東京電力福島第一原発の南11キロ、富岡町の警戒区域にある浄土宗寺院・浄林寺。早川光明住職(62)は月2回、避難先のいわき市から四輪駆動車で家族らとともに通う。本堂でおつとめをし、半日かけて境内の草を刈る。建物に大きな被害はなかったものの、電気、水道は不通のままだ。

 境内の放射線量は低いが、牧場から逃げた野良牛が落としていったふんに線量計を向けると毎時2〜5マイクロシーベルトを指した。「裏山の墓地は墓石が倒れたままで、草刈りさえ進まない」。本尊の阿弥陀如来像は避難先に運んだものの、震災前に檀家から預かった数人分の遺骨は本堂に残る。経済的にお墓どころでない人のものもあり、安住の地が決まらない。「死者に値段をつけて断ることなどできない。震災後、念仏では人を救えないとさえ考えるようになった」

 原発の9キロ北西、浪江町にある真言宗豊山派・清水寺は、今も毎時10マイクロシーベルトの線量を測るという。地震で土壁が落ちた本堂内には雨風が吹き込む。「除染どころではない状況。檀家から、いつ戻れるのかと聞かれるのがつらい」と林心澄(しんちょう)住職(45)。葬儀があれば、青森から滋賀まで散らばって避難した檀家を訪ね、近くの寺院を借りるなどして弔いを続ける。

■原発補償や助成の交渉難航

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