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子規おりおり

茗荷よりかしこさうなり茗荷の子

(07/11 愛媛版掲載)

 茗荷(みょうが)よりかしこさうなり茗荷の子 1892(明治25)年

 以前住んでいた御幸の家の近くに気の利いた蕎麦(そば)屋があって、原稿に行き詰まった時などは、気分転換に昼酒を飲みに行ったものだった。薄く切った「茗荷の子」にこれまた薄く削った鰹節(かつおぶし)をのせただけの突き出しで、機嫌良く酒が飲めた。

 細く伸びた「茗荷」よりもふっくり育った「茗荷の子」の方が賢いのかどうかは知らないが、噛(か)めば微(かす)かにふわんと香る「茗荷の子」を思うと、成(な)る程(ほど)「かしこさう」な味に思えてくるから可笑(おか)しい。

プロフィール

夏井 いつき(なつい・いつき)
1957年、愛媛県愛南町生まれ。俳句集団「いつき組」組長、元中学校国語教諭。「第8回俳壇賞」「第5回中新田俳句大賞」受賞。学校などで行う俳句のイベント「句会ライブ」、「俳句甲子園 全国高校俳句選手権大会」の運営に携わるなど、全国的に幅広く活動中。

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