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子規おりおり

おしろいは妹のものよ俗な花

(08/18 愛媛版掲載)

 おしろいは妹のものよ俗な花 1898(明治31)年

 「妹」の律が居なくては一日も過ごせない大病人・子規は、事もあろうに『仰臥漫録(ぎょうがまんろく)』で彼女をこき下ろしている。「律は理屈づめの女なり 同感同情のなき木石のごとき女なり」と。穴の開いた患部の包帯交換、食べることだけが楽しみだという大食らいの病人の食事の支度、日に何回とある便通の世話。喚(わめ)き煩悶(はんもん)し癇癪(かんしゃく)を起こす兄のヒステリックな罵詈雑言(ばりぞうごん)を、律は「おしろい」の花を眺めるふりをして聞き流すこともあったに違いない。

プロフィール

夏井 いつき(なつい・いつき)
1957年、愛媛県愛南町生まれ。俳句集団「いつき組」組長、元中学校国語教諭。「第8回俳壇賞」「第5回中新田俳句大賞」受賞。学校などで行う俳句のイベント「句会ライブ」、「俳句甲子園 全国高校俳句選手権大会」の運営に携わるなど、全国的に幅広く活動中。

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