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子規おりおり

仏壇の菓子うつくしき冬至哉

(12/22 愛媛版掲載)

 仏壇の菓子うつくしき冬至哉(かな) 1900(明治33)年

 父が死んだのは、私が23歳の年。祖母・母・私、女だけで暮らす家の中心には常に「仏壇」の存在があった。何があってもまずは「お父さんにお供えして」「これは信が好きやった」と、母も祖母も競うように「仏壇」に物を供えた。

 居なくなった父を「仏壇」の暗がりに見いだせないでいた私は、線香も鉦(かね)も大嫌いだった。素直に手を合わすことが出来るようになるまで、私には「冬至」のような長い長い夜が必要だった。

プロフィール

夏井 いつき(なつい・いつき)
1957年、愛媛県愛南町生まれ。俳句集団「いつき組」組長、元中学校国語教諭。「第8回俳壇賞」「第5回中新田俳句大賞」受賞。学校などで行う俳句のイベント「句会ライブ」、「俳句甲子園 全国高校俳句選手権大会」の運営に携わるなど、全国的に幅広く活動中。

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