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子規おりおり

行く年を母すこやかに我病めり

(12/29 愛媛版掲載)

 行く年を母すこやかに我病めり 1896(明治29)年

 明治29年は子規にとって腹を括(くく)らねばならない年でもあった。左腰の痛みは結核性脊椎(せきつい)カリエスだと分かり、自分に残されている時間におおよその見当がつき、自分のやるべきことがまだ膨大にあることに苛立(いらだ)ちを覚える闘病の日々。

 そんな子規を支える「母」は、今年を「すこやかに」過ごし、ものに動じない「母」として新年を迎えようとしている。「我病めり」の悲愴(ひそう)よりも「母すこやかに」の安堵(あんど)に寄り添ってあげたい一句だ。

プロフィール

夏井 いつき(なつい・いつき)
1957年、愛媛県愛南町生まれ。俳句集団「いつき組」組長、元中学校国語教諭。「第8回俳壇賞」「第5回中新田俳句大賞」受賞。学校などで行う俳句のイベント「句会ライブ」、「俳句甲子園 全国高校俳句選手権大会」の運営に携わるなど、全国的に幅広く活動中。

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