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幼児に広がるお笑いネタ 子の視線意識?芸も変容

2008年04月05日13時04分

 「ラララライ」に「グー」に「3の倍数のときにアホになる」――。以上は、最近の人気お笑い芸人の持ちネタだ。そういうネタを子どもがまねるのは、いつの時代も同じ。ただ最近、まねを始める年齢がさらに下がってきた、ように思われるのだ。意識をしてか、しないでか、芸人たちの芸が子ども好みに変容している、という話も聞かれる。

写真テレビに映る小島よしおと、そのまねをする子どもたち=千葉県内で

 千葉県の大橋悠貴君(6)は最近、「世界のナベアツ」のまねをする。「1、2……」と数を数えて、3の倍数の時だけ「アホな顔」をする芸だ。近所の中島淳汰君(6)も「小島よしおが面白くて」、母の久美さん(32)に向かって小島お得意のセリフ「そんなの関係ねえ」を使うことがある。さらに東京都の斉藤瑞樹君(2)は、母の智江さん(31)によると「(エド・はるみの)『グー』の格好をまね始めた」。

 白梅学園大の無藤隆教授(発達心理学)に聞くと、昔も幼い子はピンク・レディーの振り付けやドリフターズのギャグなどをまねたものだった。「ただ、今は2歳くらいの子にまで、あっという間に広まる」という。子どもが「脈絡のない、おどけた身ぶりや言葉」に触れる機会が増えたのだ。理由は(1)最近の大人は笑いに寛容で、学校などでまねをしても先生が怒らない(2)子どもが夜遅くまで眠らず、テレビでお笑いを見てしまう、からだ。

 「少し前のギャグだと、例えばレイザーラモンHGの『フォー』。その種の表現は幼児には最も簡単。『うんち』などと言って喜ぶのと同じこと」と無藤さん。

 「KANSAIこども研究所」の原坂一郎所長によると、子どもは芸人の(1)響きの良い新鮮な言葉(2)動き(3)リズムに引かれる。そして原坂さんは「ここ10年でアクションつきのギャグが増えた」と感じる。アクションなら衣装も重要。パンツ一丁で筋肉美を見せる小島やタンクトップの藤崎マーケットなど、露出の多い格好は「子どもには身近で魅力的」らしい。

 さらに、最近のネタは短縮傾向。子どもには一層わかりやすい。例えばフジテレビ系「爆笑レッドカーペット」は芸人たちのネタを1分間で次々見せる趣向の番組だ。総合演出の藪木健太郎さんは「1分なら出演できるという芸人が多いんです。また、視聴者が仮に自分に合わないと思っても、1分なら見続けてくれる」。

 子どもにウケる狙いではないが、結果的に子どもの飽きっぽさに合うのだろう。

 幼児の視線を意識した番組もある。テレビ朝日系のバラエティー「くりぃむナントカ」は3月の放送でこんな企画をやった。芸人が1組ずつネタを披露し、幼稚園児20人のうち何人が関心を示すか調べる。すると、コントネタ中心の次長課長などは不人気。一方で「ラララライ」と唱和して体操する藤崎マーケットらに、子どもたちはかぶりついた。

 この企画、「くりぃむ〜」の放映時刻を深夜から繰り上げることになり、より若くなる視聴者の好みを探ったものだ。だが、動員したのが小学生でもなく幼稚園児とは。プロデューサーの鈴木忠親さんによると「小学生ぐらいだと、途中で企画の意図を理解して行動してしまう」と考えたから。今後、さらに年齢を下げ、同様の試みを放送する予定だという。

■子供にウケる「予想外」

 藤崎マーケットの2人に「子どもの視線」について聞いてみた。

 ――幼い子にもラララライ体操がウケたようです。

 藤原時 ファンレターと一緒に子どもがまねをしている写真が届きます。街で親子連れがいると、先に僕らに気づくのは子どもたちですね。

 田崎佑一 スーパーの催しとか営業の舞台に行くと小さい子が集まります。

 ――当初から子どもにウケたかったわけではない?

 2人 そうです。

 藤原 昨年春から「レッドカーペット」のような1分間のテレビ番組に出られるようになって、1分ならラララライ体操でいこうと決めた。

 ――動作は何を参考に?

 藤原 エアロビクスの全国大会のビデオを見ました。でも速すぎて(ついていけないので)やめました。

 ――大阪ではコントや漫才もやるそうですね。

 田崎 ラララライは大阪ではほとんどやりません。

 藤原 東京・浅草の劇場でラララライをやったけれどウケない。おじいちゃんもいて客層が違うんです。

(岩本哲生)

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