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噺家による「えほん寄席」 親子で楽しめ人気に

2006年06月23日

 今月半ばまでの半月間、平日朝にNHK教育テレビで放送された古典落語が人気を集め、すでに再々放送までの日程が決まった。小学校低学年向けの「てれび絵本」の中で1日5分、全部で10話が放送された。アニメで場面を伝える「えほん寄席」のシリーズ。その人気の理由を探った。

 「まんじゅうこわい」「んまわし」「やかんなめ」「さらやしき」「たいらばやし」「池田の猪買い」「たぬきのサイコロ」「あたごやま」「大安売り」「めがねやどろぼう」

 放送されたのはおなじみの10作品で、各地で子ども向けの高座をつとめる桂文我をはじめ、四代目柳亭市馬、二代目桂平治、桂米平の4人が語った。

 番組の平田豊子プロデューサー(NHKエデュケーショナル)は「子ども向けに落語を放送したのは初めて。落語には話を聞く、語るというコミュニケーションの基本が詰まっており、親子で会話の楽しさ、大切さを感じてほしかった」と話す。

 これを手助けしたのは、噺(はなし)に合わせて国内トップクラスのイラストレーターや絵本作家らが描いた作品だ。アンクルトリスのキャラクターで有名な柳原良平(「さらやしき」)や藤枝リュウジ(「たいらばやし」)、山崎英介(「まんじゅうこわい」)、下谷二助(「やかんなめ」)といった作家が参加した。

 東京都内で行われた次回シリーズの一つ「蛇含草(じゃがんそう)」の収録で、こんな場面に出くわした。

 アニメーター彦すけあは「今のもちは簡単にちぎれてしまう。本来、歯でちぎろうとしてものびてしまう。今の子に違和感を抱かせないためにはどう描いたらいいのか」と悩んだ。噺家側からは「障子を閉めるところで絵を切ったら、落語のオチにならない」と、細かな指摘があった。

 この企画の中心的存在だった桂文我は「落語だからって、何でも大笑いが出るような話ばかりではない。庶民のそこはかとない人生や暮らしがうかがえるものが多い」と振り返る。

 イラストやアニメを採り入れて子どもに親しみを感じてもらうことはできる。だが、トップクラスの描き手を集めただけで、落語の楽しさを子どもに伝えることまでが保証されるわけではないだろう。「見る側の立場になって、落語の楽しさを伝えよう」という一体感――。これが垣間見た収録風景だった。

 「えほん寄席」は23日からの毎週金曜日、朝7時半からの枠で再放送が始まった。再々放送は8月21日から2週間の予定。年末に向けては「蛇含草」をはじめ「ときそば」「道具屋」「寿限無」など計10作品のシリーズも制作される。

 平田プロデューサーは「親が見てもおもしろいこと、知ってるつもりの親が『こういう噺だったんだ』と納得できることも、人気の理由」とみている。

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