現在位置 : asahi.com > 文化芸能 > 芸能 > 舞台 > 歌舞伎 > 記事 ここから本文エリア

吉右衛門が大車輪の秋 初代と父、ゆかりの演目次々と

2006年08月21日

 二代目中村吉右衛門が大車輪の秋を迎える。9月2日から東京・歌舞伎座で始まる「秀山祭九月大歌舞伎」は、初代吉右衛門生誕120周年を記念し、俳名の「秀山」を冠した興行。初代ゆかりの演目を並べ、初代の孫で養子になった吉右衛門が当たり役を演じる。開場40周年記念に、東京・国立劇場が3カ月に分けて通し上演する「元禄忠臣蔵」では、10月の第1部で大石内蔵助役を務める。続けて大舞台に立つ吉右衛門に聞いた。

 「養父亡きあと、吉右衛門劇団が途絶えてしまったので、秀山祭を実現できて養子の義理をようやく果たせた思いです」と語る。一座ではないが、「祭」のかたちで継続したいという。「養父の歌舞伎への姿勢と魂は残していきたい」

 昼の部「引窓」の南与兵衛(南方十次兵衛)は、初代、二代とも当たり役。義母の息子を捕縛しなければならない状況で、義理と板挟みの複雑な心情を表す。

 「初代は細やかな情愛を出せる人で『せりふ回しは作るものではなく、心から出てくるもの』と語っていました。私も養子の身で、義理の間柄を感じてきた。それを生かして演じたい」

 「寺子屋」では兄の松本幸四郎と共演する。「実父(白鸚)から共に教えを受けた間柄。共演でもり立ててくれて、うれしい」

 夜の部の「籠釣瓶(かごつるべ)花街(さとの)酔醒(えいざめ)」は、絹商人が入れ込んだ芸者に愛想づかしされ、斬殺してしまう世話物。初代が男女の心理を掘り下げ、行動を動機づけて演出し、現在の形を作った。

 「いとしさ余って憎さ百倍というのは普遍性がある。男女のドラマを抽出した初代の演出を受け継ぐ」

 一方、「元禄忠臣蔵」の内蔵助は、79年の国立劇場公演で実父・白鸚の代役に立ったのが初役。白鸚はドクターストップがかかっていたが「初日だけでも」と出演し、2日目から吉右衛門が引き継いだ。開幕数日前に備えるように言われ、三日三晩徹夜して間に合わせた「思い出深い役」だ。

 「今回、通しの一番手ができて、実父はさぞ喜んでいることでしょう」

 作者の真山青果は、終幕「大石最後の一日」から起草した。「昼行灯(ひるあんどん)と言われた内蔵助が討ち入りを決意するに至る心の変化を、逆算して演じたい」

 「秀山祭」は9月26日まで。1万7000〜2500円。電話03・5565・6000(チケットホン松竹)。「元禄忠臣蔵」第1部は10月4日から27日まで。1万2000〜1500円。電話0570・07・9900(劇場チケットセンター)。9月6日発売。

PR情報



ここから広告です
ここから広告です
広告終わり

マイタウン(地域情報)

∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.