現在位置:asahi.com>文化・芸能>芸能>舞台>歌舞伎> 記事 団十郎と海老蔵が十八番で真っ向勝負2007年12月14日15時56分 この世のものとも思えぬ派手な異形たちが、超人的な働きを見せる歌舞伎十八番。江戸時代、七代目市川団十郎が定めた演目群だ。1月、これを家の芸として継ぐ当代団十郎が「助六由縁江戸桜」を、息子の海老蔵が通し狂言「雷神不動北山櫻」を2劇場でそれぞれ上演。父子が十八番物で真っ向対決する。 「助六」は東京・歌舞伎座で開場120年を記念する「寿初春大歌舞伎」にかかる。曽我兄弟の敵討ちがテーマ。江戸の華であるけんかが小気味よい。団十郎は「江戸文化の粋を集めたもの。威張る武士をやっつける助六に、庶民は鬱憤(うっぷん)を晴らしたのでしょう」。 団十郎家による「助六」に限り、地方(じかた)は、素人衆らで作る河東節連中「十寸見(ますみ)会」が受け持つ。「儀式的なしきたりです。市川家の荒事芸には何かと儀式性がつきもの。超越的存在を敬う気持ちが大事です」 61年、父の十一代目団十郎の襲名前年、合宿げいこに参加。「父は役作りをノートに記していた。でも私の初役の時『助六』の項目をみますと『いつもの形』としか書いてなくて」。二代目尾上松緑の教えなどで補ったという。 ところで十八番には「象引」「七つ面」など最近上演されず、内容が不確かな演目もある。そこに切り込む余地ありと見るのが海老蔵だ。東京・新橋演舞場「初春花形歌舞伎」での「雷神」に工夫を凝らす。 「雷神」は二代目団十郎が1742年に初演した王代のお家騒動物。後年、「鳴神」「毛抜」「不動」が独立した。明治期の二代目市川左団次による「毛抜」「鳴神」復活、昭和期の通し上演などを踏まえ、海老蔵は台本を作り替え、名優らも手掛けなかった役を含め5役を替わる。 「団十郎家の運命的な演目。『不動』では、ワイヤを見せずに宙を飛ぶ『空中浮遊』をお目に入れます。市川家のスピリットに反比例はしないやり方」 今回、歌舞伎で初の座頭だ。「自分を大切にし、体力に余裕のある今、たたき込んでおきたい。30代に入ったので頭も体も使って歌舞伎をしっかり勉強して、一途にがんばらないと」。「象引」などの手直し上演にも意欲満々だ。「まず、今回の通しが古典として残るように取り組みたい」 海老蔵の挑戦について、団十郎は「親としては心配ですが、役者としては『助六』の盛況に気を配っています」。 歌舞伎座は2〜26日。ほかに「魚屋宗五郎」「一條大蔵譚」など。中村雀右衛門、中村吉右衛門らも出演。1万9000〜3000円。演舞場は2〜27日。1万5750〜2520円。 PR情報 |